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人生最後の日まで自分の足で歩ける身体づくり

2018.10.04

「力を抜いて、首・肩・背骨のまわり・脇まで柔らかいイメージで」。クラシック音楽を聴きながら、先生の言葉に合わせてゆったりと身体を動かす。

充分なストレッチの後は、バーレッスン。といっても、約40〜80歳の中高齢者が無理なく続けられる簡単な動きだ。丸い背中を起こし、「自分のまっすぐな姿勢」を覚えたら、レッスンや日常のなかで姿勢を保つ筋力を養っていく。

コンセプトは、「人生最後の日まで自分の足で歩ける身体づくり」だ。

レッスン中、誰よりも気持ちよさそうに身体を動かす先生が、藤井氏。大手損害保険会社に勤めながらはじめたクラシックバレエにはまった。

12年間続け、「姿勢が良くなり、筋力がつき、体幹がしっかりして体調が良くなった」ことを実感。これほど健康に効果的なバレエの基本を活かした運動が世の中にないことに気づき、「それなら、自分で中高齢者向けにプログラムをつくろう」と考えた。

まずはバレエ仲間と2人で、中高齢者向けのバレエレッスンをボランティアで2年間続けた。少しずつ参加者が増えることに手応えを感じ、本格的に事業を起こしたいという気持ちが膨らんだ。

「夢中になれる仕事に出合いたい」と望んでいた藤井氏は、15年間勤めた会社を退職。同時期に会社を退職したバレエ仲間と2人で、共同経営をスタートした。会社員時代の貯金を頼りに、3年間はがんばろうと心に決めた。

ボランティア時代のレッスン

ボランティア時代を含め、バレエレッスンを実践しながらのプログラムづくりに4年かかった。

そのなかで、バレエ外来をもつ医師の監修を受けたことが転機となり、クラシックバレエのメソッドと体幹トレーニングを中高齢者向けにアレンジした「エイジレスバレエ・ストレッチ」が完成。

バレエの華やかさを感じながら、ゆっくりと行うストレッチ運動が中高齢者の心と身体にマッチし、現在では関西9拠点・約150名が参加するまでに。

起業から3年経ったいま、「落ち込んだときには、いつも応援してくれる方々や仲間の支えがあった」と振り返る。

事業を開始した時に、レッスンの依頼とレッスン場を提供してくれた団体、アドバイスを受ける機会を得て視野が広がった起業コンテスト、事業内容に共感してくれる講師陣、家族、そして共同経営者。

さまざまな人に助けられながらも、自分がめざすバレエの基本を活用した健康づくりへの想いはブレないでやってきた。

近い将来、専用スタジオをもち、「エイジレスバレエ・ストレッチ」を日本全国、いずれは世界へ広めたいと思っている。

代表 藤井治子氏

(取材・文/花谷知子 写真/Makibi)

 

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