最新の画像認識AIを簡易かつ安価に提供
「私たちが手掛けるのは、目視確認していた工程の自動化を可能にするような画像認識AIサービスです。例えば3人で行なっていた検品作業を、1名で出来るようになります。人手不足に悩んでいる中小企業に貢献できればと考え、3名で起業しました」と語るのは、株式会社フツパーの黒瀬氏。
設立当初には共同創業者3名全員で東大阪の中小企業に“飛び込み営業”を行ったりと地道な活動が実を結び、中小企業での導入が進んでいる。
また総務省のローカル5Gを活用したAI検査プロジェクトにも協力。着実にビジネスを拡大中だ。
キーテクノロジーとなるのは“高性能なエッジAI”。データ処理をするクラウドAIや大型のオンプレミスAIに直接繋ぐ既存のやり方では、多数の画像センサが必要であったり、大規模な設備投資が必要になっていた。
しかし、同社の場合は手のひらサイズの“エッジ”と呼ばれる演算装置を使う。この“エッジ”と市販のカメラを“ポン付け”するだけで気軽に利用出来るようになるのが、同社のサービスの特徴だ。
“エッジ”の活用により、各顧客の課題に即したカスタマイズを短期間で行ない、最新の画像認識AIを簡単に導入することができる。
従来のやり方では5,000万円~1億円程度かかっていた価格も、初期費用0円、初年度29万8,000円/月(税別)、2年目以降7万9,600円/月(税別)と、中小企業に優しい価格帯に抑制。
高機能かつコストダウンを図れる同社の技術にベンチャーキャピタル(VC)も注目し、創業から42日で数千万円の資金を調達した。
社会的に注目され、トレンドとなっているAIを中心に据えたビジネスを展開する同社。AI関連のスタートアップが東京に集中する中、あえて大阪で起業した理由は、西日本を中心としたローカルエリアに“自ら汗をかき、泥臭く広めるため”だという。
同社のサービスが、大量生産型の工場が多い東大阪の中小企業などに向いていることもあるが「“高くて導入が難しいAI”という概念を壊し、当社のサービスで中小企業が本来持つポテンシャルを引き出し、貢献したい」という想いからだ。
その理念は同社のコンセプト「はやい・やすい・巧い」にも現れている。将来的には「大阪でのIPOをめざしたいですね」と黒瀬氏。
ヘブライ語の社名に込められた“大胆さや粘り強さ”で、同社はさらなる高みに向けて突き進んでいる。
(取材・文/仲西俊光 写真/福永浩二)
https://www.osaka-toprunner.jp/
◎フツパーの詳しいページは↓コチラ↓
https://www.osaka-toprunner.jp/project/introduce/hutzper/