「メディアに取り上げてもらえるプレスリリースの作り方」vol.23
元毎日放送記者で、ラジオ報道部長なども務めた大谷邦郎氏がお届けする連載です。
プレスリリースは、お金をかけずにメディアに取り上げてもらえることから、中小企業にとってはかけがえのない“武器”です。それだけに、その特徴を知り、扱い方を学び、日々研鑽してもらいたいものです。
そこでこのコーナーでは、元・経済記者のボクがリリースをメディアに取り上げてもらえるそのポイントを、具体的事例を基に解説していきます。
さぁ、皆さんも一緒に学んでいきましょう!
「会心の一撃」と言っても過言ではありません。
今、この原稿を書いている時点で、産経新聞、朝日新聞、大阪日日新聞に既に掲載され、毎日新聞、読売新聞からも取材が入った、入りそうだという連絡を受けています。産経新聞では、掲載されたのは、夕刊の一面ですよ。一面!
そのスタートは、去年の6月、大阪産業創造館での「プレスリリース作成セミナー」が、まさに閉講した時点のことでした。
「先生!うちは、ノートの下請け工場です。メディアに取り上げて欲しいけれど、その経験も無いし、そんな商品もありません」と、ボクと名刺を交換しながら、少しため息まじりで、おっしゃってこられたのです。なぬ!?ノートだと!!ここで、閃いたのでありますね。開口一番「コラボしませんか?」と。さて、そのコラボのお相手とはどこだったのか?
お答えする前に、まずは、そのリリースをご覧下さい。
紙製品の製造メーカーと発達障害者の自助グループとを結びつけたのです。
発達障害のある方が、実は白いノートが苦手な人がいると聞いたことがありました。しかし、ノートとはそんなもんだと思って諦めておられたのです。ならば、その“困った”を解決する商品を作ればいい。しかし、その“困った”が、漠然としたままでは開発に着手出来ない。そこで、発達障害の当事者100人の意見を集めて欲しいと、このグループにお願いをし、あとは両者が情報共有をしながら、ようやくこの2月に完成にこぎ着けたのです。
大栗紙工株式会社の皆さんと一般社団法人UnBalance代表の元村祐子さん(前列右)
しかし、後から聞くと本当に大変だったようです。発達障害のある人の中には、こだわりが強い傾向があったり、これまで我慢していた分、紙の色や罫線の太さや幅などとても細かな要望があったそうです。それをまとめるのが一苦労。一方、それを形にする側もこれまでは下請け業務がほとんどでしたので、一からノートを作るというのは、ほぼ初めて。本当に手探りでの作業だったと言います。また、発達障害に関しても、それまでは聞いたことがある程度だったことから、さまざまなイベントやセミナーに参加され、知識を蓄えていかれたのです。成功は1パーセントの閃きと99パーセントの努力とは本当に良く言ったものだと思います。努力ノートと言うものがあれば、彼らは、さて何冊、書き上げたことでしょうか。
えっ、ボクのノートですか?開いてみると「両者を引き合わせた」というたった一行しか書かれていませんでした。汗!(文/大谷邦郎)
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