《講演録》1on1ミーティング〜部下と信頼関係を築き成長を支援する1対1のマネジメントとは[2]
ここで、みなさん部下のどなたか一名を思い浮かべて、その人への質問を考えてみてください。仕事にかかわらず、人となりがわかるような雑談レベルの質問でいいです。
いかがでしょうか。この「相手に思いを馳せる」感覚、覚えておいてください。
相手にどれだけ関心を持てるか。真の関心がなく、「面談」のために業務的に質問を投げかけても、「この人、私に本当は興味ないのに聞いているんだな」と見透かされてしまうし、本音を話してもらえないからです。
では、具体的にどのような雑談が有効なのでしょうか。
まずは、単なる世間話からはじめます。自分の話ではなく、部下の話を引き出す2、3分ほどの世間話です。例えば、「週末なにしてるの?」といった質問、盛り上がらなかったら「何しているときが楽しいの?」と具体的でポジティブな話題を振るのです。
そうなると、答えもポジティブな回答になる。その答えから、さらに部下の価値観を探っていくこともできます。
次のステップが、「心身の健康チェック」です。2、3分ほどでいいので必ず行ってください。
具体的には睡眠です。「最近眠れてる?」 と切り出します。「最近」というのが重要で、変化を見逃さないという姿勢です。
健康の話題、具体的には食事、睡眠、運動についてある程度の知識を持っておくことは武器になります。それらのテーマの本を一冊くらい読み頭に入れておくと、部下に対して具体的な話やアドバイスができたり、アイスブレイクにも役立ちます。
健康チェックの後は、業務量の確認をしてください。オーバーワークになっていないか、ということです。話が盛り上がらない相手でも、こういう会話を繰り返していくことで、「自分のことを見てくれているんだ」と感じ、信頼関係が生まれてくるものです。
呼び出してわざわざ「大丈夫?」と聞くのはハードルが高いですが、1on1という定期的な場があると、その積み重ねができるのも、よいポイントだと思います。
「信頼関係づくりステージ」最後のステップが、「モチベーションアップ」です。今回は「傾聴」と「承認」の2つのモチベーションアップ方法をお伝えします。
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