スタッフ連載

Vol.11 業績は好調ながらも人材確保が難しく、人手不足が深刻化する中小企業

2019.02.20

【産業創造館ネットモニター調査 1月期調査】
詳しくは⇒ https://www.sansokan.jp/tyousa/movement/monitor/2019_01.pdf

2018年は自然災害に見舞われたりもしましたが、総じて景況はまずまずであったと言えます。しかし、少子化の影響もあいまって、人材の確保は思うに任せず、その結果、人手不足がさらに深刻化している企業も少なくないようです。

そこで今月は、こうした状況を確認するべく、従業者の過不足の状況やその理由、18年度中における社員の採用状況などについて色々たずねました。

まず、従業者の過不足について尋ねたところ、正社員、非正社員を合わせた全体で見ても6割以上の企業で“不足”状態にあることがわかりました(図1)。しかも、この4年あまりの傾向をみると、ますます深刻な状況になっていることが確認されました。

図1 現在の従業者数の過不足状況(従業者全体)

 

人材が不足する理由を尋ねたところ、好況を背景とした「受注・業務の増加・拡大」を半数以上の企業が指摘していますが、そのために必要となる従業員に関しては「計画を下回る採用・確保」しかできなかったことも半数近い企業が指摘しており、重大な理由であることを確認しました(図2)。

図2 従業者全体で不足する企業の理由

 

実際、18年度中における社員の採用状況を見ると、最も中心的な人材として期待される“転職による正社員”の確保状況は「まったく確保できず」が実質3割に達するなど厳しい状況であることがわかりました(図3)。

こうした事態は非正社員や新卒正社員でも似たり寄ったりであり、特に非製造業で人材確保が順調には進んでいない現実が判明しました。

図3 2018年度中における社員の採用状況(転職による正社員)

 

本編(https://www.sansokan.jp/tyousa/)にはこうした状況をさらに詳細にたずねた結果などを紹介していますので、是非ともご覧ください。

(取材・文/大阪産業創造館 徳田裕平)

大阪産業創造館 徳田裕平
建設コンサルタント会社やシンクタンクを経て、縁あって旧・大阪都市経済調査会の事務局長に就任。
大阪市をどうやって元気にするかをテーマに日夜、調査・研究に励む。