【ビジネスチャンス倍増プロジェクト】生地印刷の新技術 少量受注を強みに取引先拡大
さまざまな生地への昇華転写プリントを10年前から手がける武菱の武田氏は、その長所について「自由に色を再現できるので美しくプリントすることができる。また、捺染は色ごとに多くの型を使うため数百メートル単位からでないと注文を受け付けないのに対し、3メートルから受注できる」ことを挙げる。
昇華転写プリントは、基本的にポリエステル、アクリル、ナイロンなどの合成繊維に限られるが、武菱では生地に特殊加工を施すPROX(プロックス)加工を独自に開発し、綿、麻、絹などの天然繊維への印刷も可能にした。レディースアパレルやバッグ向けの受注が多く、「特にレディースアパレルの展示会用として、短納期、小ロット、低コスト化が実現できるとあって昇華転写プリントが使われるケースが多い」と武田氏。
年々、増加しつつある需要に応えるため昨年11月、本社から兵庫県丹波市に工場を移転し、あわせて最新鋭の機械を導入した。2012年の秋に大阪産業創造館のナビゲーターから10社を超えるマッチング先の紹介を受け、このうちバッグメーカーが前向きに導入を検討しているところ。「今後は大手アパレルメーカーやスポーツメーカーにも売り込んでいきたい」と攻めの姿勢だ。
▲大阪産業創造館 ナビゲーター 寺内 允(左)、代表取締役 武田 寛治氏(中)、営業部 本部長 山川 正博氏(右)
株式会社武菱
代表取締役 武田 寛治氏 / 営業部 本部長 山川 正博氏
設立/1986年 従業員数/15名 事業内容/転写プリント加工および販売。オリジナルの柄とヨーロッパなどから仕入れた生地を選んでオリジナルの生地をつくるOEM製品事業も展開している。