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玩具からワークショップへ 全国に広がる「つくる体験」

2026.10.07

「うぉーたーぷにぷに」は、自然由来の材料を使ったメイキングトイ。つくる、触る、遊ぶ、飾る、といった多様な楽しみ方ができるおもちゃだ。19色のカラー材と、星やフルーツ、恐竜や魚、UFOやカブトムシなど300種類以上のモールド(型)を使って、自分だけのおもちゃをつくる。子どもたちはそのプロセスを楽しみ、完成した姿に歓声を上げる。

つくり方はシンプルだ。アルギン酸ナトリウム液のカラー材をモールドに流し込み、乳酸カルシウム水にくぐらせて、ゆらゆら揺らすこと5秒。化学反応によって徐々に固まっていく。モールドからするっとはがせば、柔らかく、ぷにぷにと弾力のあるアイテムが完成する。

このおもちゃを開発したのは、株式会社M&C(エムアンドシー)テクノロジー。代表の賀氏は、着想のきっかけをこう話す。「マラソン選手がペットボトルに入っていない水を飲んでいたんです。それは、海藻由来のクリアな膜で包まれた、手でつかめる水。その時に、これ、おもちゃにも使えるんじゃないかなって」。

代表取締役 賀 金晶氏

開発にあたっては、原材料の成分の配合に時間をかけた。この製品のもっとも特徴的な「ぷにぷに感」は、配合割合によって微妙に手ざわりが変わる。国内産の原材料を選び、量を1gずつ変えながら感触を試したという。その期間は約半年。「毎日触っていると、感触の違いがわかるようになるんです」と振り返る。保存期間も慎重に検討した。子どもが直接触れることから、原材料には食品グレードの素材を選定。防腐剤を使わないため、長く置くと水分離が起こることから、保存期間にも気を配った。大量に作り置きせず、注文を受けてからその都度自社で製造する方法をとった。

商品が完成してからの苦労もあった。オンラインショップに並べてみたものの、同時期に新型コロナウイルス感染症が拡大し始め、おもちゃを楽しむ余裕のない状況が続いた。しかし、そんななか、商品を目に留めたある顧客から「オンラインで使い方を教えてほしい」という要望が入る。自宅で子どもたちとつくってみたいと言うのだ。そんな声を受けて賀氏が始めた講座が、現在の講師養成講座へとつながっている。「うぉーたーぷにぷに」のコミュニティをつくり、講師たちが商品を広めることになった。現在、講師の数は560名。全国各地に広がり、夏休みのイベントでは連日100組近い親子がワークショップに参加することもあるという。

賀氏はその様子を見ながら、「まず触ってみて感触を楽しんでほしい」と話す。「うぉーたーぷにぷに」は、平面的なモールドに入れた液体が、水の中で形を保ちながら、ぷにぷにとした立体物になっていく。「遊んでいるうちに、自然にその化学反応についても知りたくなると思うんです」。楽しさが先にあり、学びは後からついてくる。最近はAIの普及により、子どもたちがAIを使ってモールドを設計し、3Dプリンターで自作の型をつくる試みも始めた。賀氏は「うぉーたーぷにぷに」の世界観を大切にしながら、遊び方を進化させようとしている。

(取材・文/荒木さと子 写真/福永浩二)

株式会社M&Cテクノロジー

代表取締役

賀 金晶氏

https://mctec.jp

事業内容/オリジナル商品メイキングトイ・イベント企画・3D デザイン・出力