体感から舞台までリアルを追求 とことんつくり込むサバゲー体験

物陰に身を隠す緊張感。敵が近づいてくる時の心拍数の高まり。体感を伴う非日常感が魅力のサバイバルゲーム(サバゲー)。2000年にオープンの「BB GUN(ビービーガン)」は、早くからサバゲーフィールドを展開してきた施設。髙橋氏によれば、当時エアガンの販売店は日本に100〜150店舗あったにも関わらず、実際に撃てる場所はわずかだったという。堤防や公園など、周囲に危険が及びかねない場所で遊ぶケースもあり、株式会社レイデバイスウエポンが、専用の遊び場づくりに乗り出した。

代表取締役 髙橋 信博氏
エアガンは秒速約90m(時速約320km)でプラスチック弾が飛び出す。プラスチック弾とはいえ、高速で飛ぶためケガのリスクもある。一方、赤外線で撃ち合う安全性の高い銃もあるが、これではどうにも物足りない。そこで髙橋氏は、精巧なモデルガンと赤外線ピストルを掛け合わせた独自の銃を開発した。「弾が出ないから安全で、なおかつエアガン以上のリアリティを追求。火薬を使用することで、撃った時の音や衝撃、薬きょうが飛び出す臨場感を再現しました。発砲した後は、火薬の匂いと煙が残ります」。

薬きょうが飛び出す赤外線ピストル。
赤外線受光部が4箇所あるヘルメットも併せて開発し、ゲームの精度が大幅に向上。弾が当たるサバゲーは、防具が厚いため被弾しても自覚しにくいが、同社のオリジナル銃は命中するとヘルメットのシールドが赤く光る。被弾したことが一目瞭然で、撃たれた側の銃は自動で止まり、それ以上攻撃できなくなる仕掛けだ。弾を使わずに臨場感を生み出し、被弾判定も明確にする。独自デバイスの開発により、従来とは異なるサバゲーの楽しみ方を生み出した。

同社開発の赤外線受光部が4箇所あるヘルメット。
2020年には、体験型アトラクション「パラサイトZ」をオープン。迫りくるゾンビと戦いながら、制限時間内に謎解きをして脱出するシューティングゲームだ。緻密なストーリーとルールを設計し、舞台装置もこだわった。登場人物になりきれる没入感を追求したが、ほどなくコロナ禍に見舞われてしまう。来場者は想定の100分の1。廃業も覚悟した時、新たな転機が訪れた。「新規性があり、なおかつ安全性が担保された遊び」を探していたアミューズメントパークからのオファーが舞い込んだのだ。「BB GUNで20年以上、無事故で営業してきた実績とゲームの進行管理、世界観を具現化するプロデュース力が評価され、現在もアトラクションとして稼働しています」と髙橋氏。

とことんリアリティを追求。場所の魅力を最大限に活かすコンテンツを世に送り出す。
同社が考えるエンターテインメントとは、人の感情を動かす「体験」に他ならない。画面越しに物語を鑑賞するだけではなく、自ら身体を動かし、物語の中に入り込むことで生まれる没入感を大切にする。「自分が主人公になるからこそ、毎回、結果が変わります。最後まで生き残ることもあれば、開始5秒で終了することも。同じ体験は二度とない。そこが面白さ」と髙橋氏。ゲームの発案やデバイス開発、空間演出、ルール設計から日々の運営まで。「これで面白くないと言われるなら諦めがつく」と言えるレベルまで、やり切ってしまう真剣さが同社の強みだ。

(取材・文/北浦あかね 写真/福永浩二)









