Bplatz press

【飲食店開業への道】音楽とお酒と会話を楽しむ立ち飲み店を実現

2026.01.05

天神橋筋商店街の1本東の道沿いにある飲食店が建ち並ぶエリアで、ラスタカラーの暖簾が一際目を引く「スカちゃん立飲み」。レゲエやスカが流れる2.5坪のこぢんまりとした店内では、常連も初めての人もすぐに打ち解けることができる。それは店主の平尾氏が「おしゃべりなお客さんが会話の中心になりやすいけど、みんなで楽しく話せるように心がけている」と語るように、初めての方にも気さくに声をかけるなどの気配りが行き届いているからだ。

2021年12月のオープン以来、平尾氏の人柄を慕って少しずつ常連客や新規客が増え、最近では20時を過ぎて夜が更けてくると店内は人でいっぱいに。

平尾氏が飲食店の開業を決意したのは2020年、58歳の頃。製造業の設計職として長年勤めていたが、コロナ禍をきっかけに「いつ死ぬかわからないなら、好きな音楽とお酒を提供する立ち飲み屋をやりたい」と動き出した。 

代表 平尾 卓也氏

会社に勤めながら、大阪産業創造館による飲食店開業プログラム【あきない虎の穴】に参加。「飲食店未経験なので、店舗での実習や、食材・調味料会社を紹介してもらえたのがよかった。今まで生きてきた中で一番一生懸命勉強したんじゃないかな。損益計算書や事業計画書を作成して資金繰りができないと長く続かないと肝に銘じました」と振り返る。

【あきない虎の穴】の同期からの贈り物。平尾氏の思いと行動力は同期からもリスペクトされている。

飲食店が多い天満エリアで4~5坪くらいの居抜き物件を探し、9か月後にようやく現在の物件と出合う。「想定より狭かったが、自分で切り盛りするイメージができたことが決め手になった」と平尾氏。内装は壁紙のDIYや手作りの暖簾などで、自分の好きな音楽の世界観に仕上げた。

評判は上々だったが、コロナ禍による営業時間短縮で20時以降は営業を終了していたため売上げは伸びず、厳しい時期が続いた。「半年で通常の売上げになればと思っていたが、実際は1年半かかった。協力金に助けられたのと、支えてくれた常連さんのおかげで今がある」と振り返る。

看板メニューの「自家製ローストビーフ(左上)」や「レゲエ焼き(ジャークチキン)」。ラスタカラーのお皿やジャマイカの国旗柄のコースターを使用している。

今後は同店を続けながら、2026年の夏頃にベトナムで現地の日本人向け飲食店の開店をめざしている。「会社員時代に、工場があるベトナムに行き来するうち大好きになって。ベトナム人の知り合いと共同経営で始めることに。レストランを夕方から間借りすれば、賃料を安く抑えて始められるので、今物件を探しているところです。好きなことにもっとチャレンジしていきたいですね」と、持ち前の行動力で実現に向けて取り組んでいる。

「飲食店を続けていくにはお客さんを大事にすること。一生懸命に重ねた努力はきっと報われますよ」と平尾氏。

(取材・文/三枝ゆり 写真/三原李恵)

【 開業資金 】 130万円
敷金・礼金で90万円、食器・調理道具のほか、壁紙や棚のペイントなど内装のDIYなどに約40万円。すべて自己資金。

【 立地選定 】 
地下鉄「天神橋筋六丁目」駅から徒歩約4分の居抜き物件。天満エリアの不動産屋さんに全部当たったが見つかるまで9か月かかった。2.5坪と希望より狭かったが、人気の立ち飲み店が移転するタイミングに即決した。

【 店舗デザイン・設備 】 
スカとパンクを融合させた音楽ジャンル「2トーンスカ」のシンボルで、白と黒のチェッカーボード柄の壁紙をDIY。ラスタカラーの暖簾やカーテン、棚のペイントなど、家族で手作りした。

【 開業までに要した期間 】 1年4カ月 

【 「あきない虎の穴」担当者からのコメント 】
今だから言いますが、受講されていた時は、このまま開業するのは厳しいかな~と思っていました。が、売りメニュー候補のローストビーフを試食した時に、案外いけるかも?となったのを覚えています。どちらかというと物静かなイメージだったので、ラスタカラーをシンボルカラーにした明るいお店というコンセプトを聞いてギャップを感じたりもしましたが、その人柄にお客さんがついているのは納得です。講座を通じてキッチリと数字を作り、開業資金を安く押さえることができたのもうまくいっているポイントだと思います。(大阪産業創造館 創業支援チーム 浜田 哲史)

r0039825

【 あきない虎の穴 】https://www.sansokan.jp/tora

スカちゃん立飲み

代表

平尾 卓也氏

https://www.instagram.com/skachantachinomi

事業内容/立ち飲み店経営
座席数/6~15席
開業日/2021年12月16日