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おひとり様と寄付先団体をつなぎ 最期の安心を

2019.02.04

空き家の放置、休眠預金の増加など、一人暮らしで身寄りがないまま亡くなることで生じる問題が顕在化している。亡くなった人の不動産や預金などの財産は、遺言書にその処分法や使途を書いて残しておかなければ誰もさわることができないからだ。

これらの財産は、第三者からの申し立てにより法的手続きを経て国に納められることが多く、その額は2015年度で420億円に上る。「こうして表に出てくるのはほんの一部。この数倍の財産が放置されているのでは」と北村氏は推測する。

北村氏が代表弁護士を務める法律事務所では相続問題を多く扱っており、妻や子と離別し一人暮らしをする高齢者から、死後の財産をどうすればよいのか相談を受けるケースが増えてきた。

一方で、NPO法人の経営者らから、資金難で思い描くような活動ができていないとの声を聞く機会があった。「使い残した財産を団体に寄付できる仕組みをつくれば、選択肢が増える」と「finale:(フィナーレ)」の構想を思いつき株式会社を設立する。

相談が寄せられた場合、まず寄付先一覧をまとめたリストを見てもらいながら趣旨に賛同できる団体を寄付先として選び、遺言書を作成。死後は遺言執行者が寄付手続きを行う仕組みだ。

ユニークなのは、決めた寄付先から存命中に、事業報告書や広報誌など活動への理解を深める“特典”が送られてくることで、自身が果たす貢献を実感できるようになっている。

また、認知症になった場合、施設の入居に必要な身元保証人をどうするか、お墓は、葬儀は、死後の家の片づけは…など年齢を重ね、死を迎えるにあたって生じるさまざまな問題をワンストップで解決できるようにしている。

「こうしたサービスは事業者がそれぞれ別々に提供している。それぞれに法律家がかかわる事案も多く、法律専門家がいる当社がワンストップで多様なサービスを提供することが強みになる」。

つい先日相談に訪れたのは、離婚して子どもがいない70代前半の男性。判断能力がなくなった時に財産管理などをゆだねる任意後見人手続き、延命措置などを施さない尊厳死の宣言、死後の自宅の片づけに加え、財産が残った場合の寄付先も決めた。
「まだお元気な方ですが、気になっていたことを決めることができてすっきりしたと話しておられた」という。

未婚率の上昇を反映し、単身世帯は今後ますます増加し、こうしたサービスに対するニーズはさらに高まることが見込まれる。「おひとり様と寄付先団体のつながりを生みだし、民間から民間への資金の流れを作り出すとともに、日本での寄付文化醸成の一助にもなれば」と考えている。

代表取締役社長 北村 真一氏

(取材・文/山口裕史)

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