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【ロングインタビュー】新興国総オンライン化をめざし、BOPマーケットに挑む

yoyo
 フィリピンでモバイルビジネスを展開する深田氏。根底にあるのは「貧困を解決するには、教育にせよ、仕事にせよその機会を提供すること。インターネットにつながることでその多くが解決できる」という信念だ。その先に広がるのは人口40億人、500兆円市場ともいわれるBOP(Base of the Pyramid:貧困層)マーケットだ。

―大学ではバイオを専攻されていたそうですね。ビジネスに興味を持った経緯は?

大学では分子細胞生物学を学んでいました。当時、国は大学発ベンチャー計画を1000社推進しており、研究者は研究だけしていればよいのではなく、成果を実社会に還元すべきという考えのもと大阪大学でもさまざまな取り組みが進められていました。

大学院で学んだビジネスエンジニアリング専攻ができたのもそうした背景があったからで、私はその3期生として入学しました。その専攻にバイオから進んだのは私一人ということもあり、機械系、環境系、コンピュータサイエンス系など違う専門の人たちとコミュニケーションできたことも大きな財産です。

大学院では大きな学びを得ることができました。その一つが、社会起業家の話を聞く機会を得たことです。今の社会を変えたいというまっすぐな姿に胸を打たれました。さらに本を通じてバングラデシュでBOP(Base of the Pyramid:貧困層)に融資するグラミン銀行を立ち上げたムハムド・ユヌス博士の考えにインスパイアされたんです。

―どんなところに惹かれたのですか?

しっかり高い収益を上げながら、構造的なアプローチで貧困問題を解決していることが、すごいなあと。高収益だからこそ継続できるわけですから。

仕事選びは人生選びそのものだと思います。同じ仕事をするならば、僕は社会問題を解決するビジネスをしたいと考えました。BOPは500兆円のマーケットといわれていますが、まだイノベーションの余地がある。テクノロジーやビジネスを通じ人々を変えられる。そこにだれも挑戦していないなら、ぼくがやろうと。

―大学院を卒業した後に、ディー・エヌ・エーに就職されました。どのような観点で会社を選んだのですか。

誰も解決できていないような大きな問題に挑戦するのは決して簡単ではありません。当時の自分の実力ではまだまだ力不足だと思いました。そこで自分がビジネスを一番学べる場所に3年間と時間を決めて身を置こうと考えました。ディー・エヌ・エーの面接では、「武者修行のつもりで働くので、一番厳しい場所に配属してほしい。それで3年間で辞めます」と宣言しました。

当時はモバゲー・タウンの事業が好調だったんですけど、すでに軌道に乗っている事業部門をさらに大きくするより、赤字事業の立て直し、新規事業の立ち上げをやりたい、と。入社後、希望通り新規事業の部署に配属してもらいました。

―ディー・エヌ・エーで学んだことは?

新規事業部署には社内のエースと呼ばれるメンバーばかりが集まっていましたので、すべてが刺激的で本当に勉強になりました。1年目はほぼ週7日働いて、平日は24時前に帰った日はありませんでしたね。もちろんそれは少しでも早く結果を残し、成長するために仕事に没頭していたからです。

しかし、毎年あった新規事業のコンテストでは、東南アジアでモバイルビジネスをやりたいという提案を出したのですがことごとく却下されました。私にとってディー・エヌ・エーは大好きな会社で、魅力的なメンバーと一緒に真剣に事業へ取り組むことができ、そのまま会社に残って働きたいという欲求も強くあったのですが、それではダメだと考え、宣言どおり3年ちょっとで退職しました。

―次にやるべきことが決まっていたのですか。

その時はおおまかにBOPビジネスをやりたい、くらいにしか考えていませんでした。もちろん事業プランは用意していましたが、いざアクションを起こすにも、海外の詳細な事情も知らないし、そもそも英語の勉強もしていないことに気づいて。

インターネットでいろいろと調べることはできますが、現地の人々が抱えている問題を正しく理解してその解決策を考えるには、まず現地で生活しないことには何もわからないだろうと思ったんです。会社を退職した4日後にはフィリピンに飛んでいました。それが29歳のときのことです。

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2015年07月09日
YOYO Holdings Pte. Ltd.
Co-founder&CEO  
深田 洋輔氏

従業員数/25名 設立/2012年

事業内容/新興国向けにモバイル通信料金を無料化するサービス「PopSlide」の開発・運営。

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