産経関西/産創館広場

出会えた!私色の化粧品

2012.07.23

 消費者ニーズの多様化と化粧品市場の成熟化により、市場には無数の化粧品が氾濫している。消費者の選択肢が増える一方、自分に本当に合う商品がわからないまま化粧をしている人も多いのではないだろうか。株式会社プリオリコスメ(大阪市中央区)の木目祥子社長は、肌色を隠し塗り替えるのではなく、一人一人が持つ肌色の良さをひきたてる「パーソナルカラーメイク」に出会い、17年前にパーソナルカラーメイクの化粧品製造・販売業として創業した。

 創業時、ロットが小さいため多くの工場に生産を断られながらも、「これこそ私色」と思ってもらえる化粧品を作るため、納得の色が出るまで妥協せずに商品を開発した。とはいえ、肌の色から自分に合う色を見つける「パーソナルカラー診断」を、化粧品販売につなげることは容易ではなかった。が、ちょうどその頃、人気芸能人が火付け役となった眉メイクブームが起こり、美容師資格を持つ木目社長は、「とにかくお顔に触れる機会を持たせて頂きたい」との思いから「眉カット500円」の看板を店先に立て、近くのOLを中心に口コミで顧客を増やしていった。

 現在、社員のうち7人が美容師資格を持っている強みを活かし、眉カットやヘアメイクアップのサロンを運営。また、木目社長が大学や専門学校のメイクアップ講座の講師をし、オリジナル化粧品を広めている。しかし、授業で使うメイクアップセット一式を生徒全員が購入していた専門学校や大学での講座数が減少するなど、経営環境が厳しくなる中、こうした状況に危機感を強めた同氏は、昨年から今年にかけて次々と新たな手を打っている。

 コラーゲンをたっぷり入れたオリジナル美容液「ココデヴァン」(ここ出番)の販売を昨年末に開始。これをきっかけに社長自らが全国の顧客サロンを訪問したり、美容に関する情報を詰め込んだ冊子を年2回顧客に送るなど、顧客サポートを強化している。また今年3月には、より幅広くお客に知ってもらうために、大丸心斎橋店にサロンをオープンした。「肌色」にこだわって生まれたパーソナルカラーコスメを1人でも多くの方に広めたい、と木目社長は今日も日本中を走り回っている。

(大阪産業創造館 経営相談室 泉仁史)

㈱プリオリコスメ
▲「パーソナルカラー診断」をもとに、肌色にこだわったパーソナルカラーコスメを広めている木目さん。

株式会社プリオリコスメ

http://www.prioricosme.com/