三次元計測で足から健康に
「足から健康になる社会を作る」という目標のもと、3次元足型計測を使った新たな健康サービスの開発に挑んでいるのが、株式会社ドリーム・ジーピー(大阪市中央区、荒山元秀社長)だ。
昨今の高齢社会の拡大により、リウマチなどの疾患や加齢で足型が変形する人が、ますます増加するといわれている。また一方で、健康な若年層にとっても外反母趾など、足に悩みを抱える人も多く、ここ数年、フットケア関連の製品も介護関連製品や健康グッズとして定着している。
同社では「3次元足型自動計測器CUTE」を開発。3Dのレーザースキャナーで足型形状から足の長さ、足の幅まで15秒で立体的に計測することが可能だ。現在、大手スポーツメーカーの靴販売店などにも導入されている。また、計測したデータをもとに、自分の足型に合わせたインソール(中敷)のオーダーメードサービスも開始。土踏まずに合わせたインソールを作ることができるのも3次元計測ならではだ。
また、リハビリ靴、介護靴メーカーとタイアップして、計測実績に基づいた顧客管理を実現するナビゲーションシステムも開発。それぞれの顧客の足のサイズや形状、左右の足の違いに合わせた靴選びも可能となった。特に高齢者にとっては、自分の足に合わない靴を履くことで、痛みや症状がさらに悪化する。外出回数が減り、足の筋肉が衰え、その結果、寝たきり状態に陥ってしまうなど、日常生活へ与える影響は若年層よりも格段に大きい。自分の足型を知ることで、最適な靴やインソールを選ぶことが可能になり、歩行の不安や痛みを和らげることで、歩く機会も増え、より健康な生活を送ることができる。
荒山社長は、「3次元計測データに基づいた靴製作のシステムが構築できれば、顧客それぞれが求める靴を短納期、かつ低コストで作ることも可能になる。そして今後は、靴やインソールだけでなく、他の医療・健康サポートを行うサービスにつなげていきたい」と語る。足型を知り尽くす荒山社長が目指す「足から健康になる社会」は足の健康にかかわる会社だけに、一歩ずつ、着実に実現に向かっている。
(大阪産業創造館 新産業創造推進室 プランナー 田中良典/2013.01.07現在)
株式会社ドリーム・ジー・ピー