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【ビジネスチャンス倍増プロジェクト】600㎜超の厚板も切断する精密溶断で強み

2014.05.09

baner

溶断は、鋼鈑を可燃性ガスと酸素で1000度位に加熱して、そこに酸素を噴きつけ、燃焼させながら溶かしていく切断手法。中でも前原鎔断は他社が手がけることの少ない600mmを超える極厚鋼板の溶断を得意とする。自社在庫の鋼板を持つことで、より優れた加工、即納に対応できることも強みだ。切断面が長くなるほど歪みやすくなるが、前準備を含めた切断技術により高い評価を得ている。

その技術に着目しナビゲーターがマッチング先としてつないだのが、下水道トンネルなどをつくるために使われる掘進機メーカーの推研。ただ、推研は金属加工会社から機械部品を集めて組み立てるアッセンブリーを主体としているため、「当社の加工委託先に直接売り込んでみては」とさらに紹介を受けたのが大野工作所だった。

大野工作所は大型産業機械の部品加工を幅広く手がけており、すぐに厚板加工の受注につながった。その後も軸受用の部品や製缶用の鋼板をはじめ、ときには材料調達も含めた受注を継続して信頼関係を築いている。また、推研からも掘進機のメンテナンス用部品などの加工を受託している。

他の金属加工技術の進歩もあり、以前に比べると厚板鋼板を溶断するニーズは減りつつある。「我々が新規開拓をしようとすると『ここは難しい』とか先入観を持ってしまいがち。そういう意味で、ナビゲーターから我々にはない視点で紹介いただけるのはありがたい」と川口氏。今後は「材料調達力のほかレーザー溶断なども組み合わせた2次加工、次工程の削減につながる加工技術などの提案力」に磨きをかけ、売り込んでいこうとしている。

ナビゲーターが、極厚鋼板の精密溶断を得意とする前原鎔断を掘進機メーカーの推研とマッチング。推研から紹介を受けた大型機械部品メーカー、大野工作所から厚板部品の加工を継続的に受注している。また、推研からメンテナンス用部品の加工も請け負っている。

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前原鎔断株式会社 営業部 主任 田中 剛氏(左)
前原鎔断株式会社 営業部 部長代理 川口 豊次氏(中央)
大阪産業創造館 ナビゲーター 生信 良雄(右)

 

前原鎔断株式会社

http://www.maehara-web.co.jp/

従業員/40名 設立/1961年 事業内容/鋼板の精密溶断が主力。特に厚さ600mmを超える極厚板の切断ができるところは関西では数少ないという。