【ビジネスチャンス倍増プロジェクト】経営者同士で信頼関係を構築 同じ価値観を共有し、「いつか一緒に仕事を」
ナビゲーターが2006年12月に「ダイキャストが得意な調達先」を求めていた日本ワヰコと、
新たな取引先を求めていたダイキャストメーカーのA社をマッチング。
その後、経営者同士で話をする中で信頼関係を構築。
「いつか一緒に仕事を」と話をするうち、
昨年、米国エンジンメーカーからの受注案件について初めてA社に発注することになった。
エンジン部品を構成するピストンとシリンダーをつなぎ、往復運動を回転運動に、もしくはその逆で動力を伝えるためのコネクティングロッド(連接棒)を製造している日本ワヰコ。その中でもアルミ合金製を専門に手がけ、用途は広い。ひと口にアルミ合金製コンロッドといっても鋳造、ダイキャスト、削り出しなど素材の製法はさまざま。取引先の求めに応じ、各種素材について技術力を持つ調達先を幅広く持っておくことが求められる。
マッチングナビゲーターに「ダイキャストが得意な業者を」と依頼していたところ、紹介を受けたのがあるダイキャストメーカーA社。いったんトップ同士で顔合わせをした後、各種セミナーで顔を合わせる機会が多く、話をするうち経営者同士で信頼関係を構築 同じ価値観を共有し、「いつか一緒に仕事を」に「新たなことにチャレンジしようという同じ価値観を持っていることがわかった」と木下氏。
昨年、米国のエンジンメーカーから高品質のアルミ合金製コンロッドの受注を獲得し、初めてA社に発注した。A社はコンロッドの製造が初めてとあって、営業や品質保証の担当者を日本ワヰコから派遣。受注先の監査にも立ち会い、秋には無事納品を済ませた。今後はコンロッド以外の製品についても発注していく予定だ。
「適切なマッチング先を紹介してもらうためには、どんな課題を抱えていて、何をやっていこうとしているのか常にナビゲーターに伝えておくことが大切」と木下氏。新たに挑もうとしている鉄製コンロッドの加工については別のマッチング案件による連携ができあがりつつある。
日本ワヰコ株式会社 代表取締役 木下 浩伸氏(右)
大阪産業創造館 ナビゲーター 竹内 幸男(左)
(取材・文/山口裕史)
日本ワヰコ株式会社
代表取締役
木下 浩伸氏
設立/1928年 従業員数/60名
事業内容/アルミ合金製コネクティングロッド(連接棒)の製造が主体。農機具やコンプレッサーに使われる汎用エンジン、空調・冷凍機コンプレッサー用、エアーコンプレッサー用が主用途。