Bplatz press

ものづくりを支え、世界を回し続けて120年

2020.07.13

あらゆる業種に導入され、ものづくりを支える産業用ローラー。たとえばスナック菓子を例にあげると、袋を作るためのフィルムの加工、袋への印刷、粘着性のあるローラーでミクロン単位のホコリも逃さない“クリーナーローラー”で仕上げるまで、幅広い工程で使われている。

1899年創業の株式会社加貫ローラ製作所は、産業用ローラーのメーカーとして国内有数の技術と、トップクラスのシェアを有するパイオニア的存在だ。先述の“クリーナーローラー”も同社からスタートした技術である。

高度なノウハウを活かし全国20拠点、海外にも展開

精力的に新商品の開発や改善に挑む社風は、「お客様の声が源泉です」と言い切る営業本部の泉氏の姿勢からも伺える。「お客様の工場に入り、技術者同士話し合うこともあります」と話すのは、技術開発部の桑原氏。同部の細田氏は「営業を通じて、お客様からの感謝の声を聞くとやりがいを感じますね」と笑顔で語る。

顧客と直接繋がる営業部門と、開発や改良などを担う技術部門が二人三脚で独自の技術を生み出し、磨き続けている。

時代に必要とされる産業用ローラーを次々と開発

素材の巨大化や生産工程のスピードアップ、コストダウンや新素材への対応など、製造業と共に歩む同社に対して寄せられる要望は高い。最近ではローラーの材質をゴムから金属やプラスチックなどに切り替えるニーズも増加するが、長年培ってきたノウハウで解決に導く。

例えば、『マイクログルーブローラー』。金属製のローラーに0.1mmの溝幅をつけることで、薄い高機能フィルムへのダメージを無くす。段差を吸収することでロスを低減する『e-コア』は、一部の工場で導入した顧客から「大幅なコストダウンになったので、全社で使いたい」という大規模な受注に繋がったことも。

無駄を省き、コストダウンを実現する『e-コア』

石版印刷用ローラーからスタートした同社の技術は脈々と受け継がれ、現在ではスマホやモニターなどに使われる液晶フィルムや、次世代を担う電気自動車のリチウムイオン電池などに使われるセパレータフィルムなどを製造する上で欠かせない存在に。高機能フィルム以外にも印刷、鉄鋼、製紙、自動車、住宅、機械装置など多岐にわたる産業を支えている。

きめ細かな技術革新を推進しながら、同社の産業用ローラーはこれからも世界のものづくりの現場を回し続けていく。

営業本部次長 泉氏(中央)、技術開発部次長 桑原氏(右)技術開発技術企画課 細田氏(左)

(取材・文/仲西俊光)

 
≪加貫ローラ製作所も出展!オススメイベント≫
機能性・付加価値を高めるフィルム素材や加工技術の見本市
【機能性フィルム展2020】


本展示会では、導電性、衝撃吸収性、耐熱性、環境対応など機能性に優れたフィルムやシート、それらを活かした特長的な加工技術を持つ企業が数多く出展!新たな機能や付加価値を持ったフィルム素材を自社の製品に活かしたい、もしくは新たな加工技術や付随製品などをお探しの方はぜひご参加ください。