産経関西/産創館広場

日本のものづくりを世界へ

2014.04.21

わが国のものづくりは中小企業が支えている。しかし近年は製品価格の低下に伴うコストダウンが限界に来ており、海外調達が行われるようになっている。一方で受け取った製品の不良のほか、支払っても物が届かない、頼んだ図面と違うものが届いたなどトラブルにつながる例もあり、ものづくりの信頼が問われている。

そうしたトラブルを未然に防ぎ、機械メーカーなどからの金属製品の設計開発、海外調達、部品加工をワンストップで支援するのが1972年設立の阪井金属製作所(大阪市阿倍野区)だ。

中小製造業が集積する東大阪を中心に、国内外に100社以上の協力工場のネットワークを持ち、切削、プレス、板金加工といった金属加工の相談や、小ロット、短納期、特急品への小回りの利いた対応で顧客の要望に応えている。3代目社長の阪井博史氏は「お客さまとの約束は必ず守る。なぜならうちのネットワークを通じて、ものづくりの信頼性を支えることが当社の責任だから」と語る。

この経営姿勢は、同社が現在挑戦している取り組みに現れている。2013年に大阪府知事から承認を受けた経営革新計画に沿って、納期に対する課題を解決できるように、金属切削加工のウェブ見積・受注システムを構築中だ。

また、納期だけでなく品質に対しても妥協せず、顧客との信頼関係のパイプを太くする取り組みを行っている。国内外の協力工場のネットワークを使い、製品を安価かつ短納期で仕上げたうえ、同社で十分な検査を行うことで不良品を出さないよう努めている。

これらの取り組みの先に見据えるのは海外だ。協力工場のネットワークと検査機能で顧客の最適な調達を支援する国内で実現済みのビジネスモデルを、海外にも展開する構想である。既にベトナムをターゲットに定め留学生を採用し、近い将来、現地の事業所の代表者として活躍してもらえるように、同社の存在意義を彼らに伝授している。阪井社長は「海外に向けて情報を発信し、『日本の品質』を持つ安価な製品を世界に届けたい」と抱負を語る。

(大阪産業創造館 コンサルタント 服部繁一)

 

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▲ベトナム協力工場のメンバーと歓談する阪井社長(右から3人目)

株式会社阪井金属製作所

http://sakaikinzoku.com/