さまざまな「漏れ」の解決策提案
産業機械や自動車に起こりうるオイルやエア、冷媒ガスなどの「リーク(漏れ)」対策に特化した事業を展開している株式会社リークラボ・ジャパン(大阪市港区)。1981年に眞洋商会として創業、米国製オイル添加剤の取り扱いからスタートし、中小の鉄工所や自動車整備工場に機械の周辺機器やオイルなどを販売している。
90年代後半に、カーエアコンや冷凍空調機などに使用されている冷媒ガス漏れを検知する米国製蛍光剤の国内販売を開始。大手自動車メーカーに採用されるなどし、冷媒ガスの分析器などの周辺商品も取り扱うことで、業績を拡大していった。
2004年には、後継者である物部智人氏が入社。それまでは広告制作会社勤務で、会社を継ぐ気はなかったというが、営業に取り組み、顧客開拓の実績を積むに従って、自分が継ぐべきなのではないかと思い至り、2012年、社長に就任した。
とはいえ、経営者としてこれからどう事業をかじ取りしていくべきなのか、強い危機感を抱いた。ITにより、誰でも海外の商品が簡単に入手できる時代になったため、輸入商社として単に商品を販売するだけでは、生き残っていけない。
これからどんな価値を提供する会社として存在すべきかを見つめ直したとき、顧客は自社の商品を通じて「漏れる」という課題現象を解決したいのではないかと気づいた。
13年4月には会社名をリークラボ・ジャパンに変更。漏れに関する「検査→修理→処理・清掃」といった一連の流れに沿って商品ラインアップを整理することから取り掛かり、漏れに関する困りごとの場面に応じて最適な商品提案ができるようにした。
さらには、商品販売だけではなく、蓄積した情報・ノウハウを自社独自の強みにしようと決断。現在、製造工場における圧縮エアやオイルの漏れ対策について、診断を伴うパッケージサービスを具体化しつつあり、昨秋の展示会では大きな反響を得た。
今後は、「漏れ」に関するさまざまなサービスを強化して省資源化を図り、「売り手よし、買い手よし、世間よし、将来世代よし」の「四方善(よ)し」のビジネスを通して持続可能な社会の実現に向け情熱を傾ける。
(経営相談室 コンサルタント 東純子)
▲リーク(漏れ)のソリューション提案は来場者の反応も上々だった