産経関西/産創館広場

“眠れる宝”ビジネスチャンスに

2013.10.07

転売を主業とするトレススターホールディングス株式会社(本社・大阪市西区)。重本龍司社長がネットやモバイルでのオークションに価格差があることに気が付いたのは、とある国家資格の受験勉強に勤しんでいたときであった。

勉強の息抜きに始めた中古携帯電話の転売ビジネスに将来性を感じ、資格を取得したもののその道には進まず、友人2人と始めた。ちなみに社名にある「トレス(Tres)」とはスペイン語で「3」を意味する。

勉強の息抜きに始めたビジネスが大きく展開したのは、国内で調達し中国・香港をメーンとした海外で販売する、しかも卸業者にまとめて売却するルートを開拓、構築したからである。

その後、扱う商品を外国産高級ワインやブランデーをメーンとする酒類、化粧品・サプリメントへと広げた。お酒は贈答品で飲まれないまま個人宅に貯蔵されているもの。化粧品やサプリメントは間違って、あるいはやむを得ず購入してしまったもので、所有者にとっては役に立たないが、ほかの人にとってはお宝の商品もある。一方、販売は海外を除きオークション中心。アマゾンや楽天を中心とした大手のサイトのほか、自社でもオークションサイトを開設し、年商30億円のビジネスとなっている。

このビジネスの肝は商品の調達。ネットオークションで調達だけでは限界があるので、ネット広告をフル活用。商品の引き取りは全国8カ所の店頭、小荷物配送で行うほか、高級洋酒のように破損しやすいものは出向いての出張買い取りも行っている。

最近では中古品だけでなく、中国で開拓した雑貨類を輸入しネットを通じての業者向けに販売を行うなど新たな商材、販路を開拓してきた。重本社長は「このビジネスは誰でもまねできる。だから一歩も二歩も先を行く商材、販路を開発しなければ」との問題認識を持っており、将来は自社ブランド品の開発・上市ももくろんでいる。

見ず知らずの人や会社でも直接アポイントをとって会いに行く積極性を持つ重本社長。外部の力も得て、今後どんなビジネスモデルで目標としている売り上げ100億円を達成するか、とても楽しみである。

(大阪産業創造館 経営相談室長 田口光春)

sankei1007

▲積極果敢な経営で売り上げ増を目指す重本社長

トレススターホールディングス株式会社   

http://tres-star.jp/