産経関西/産創館広場

色・音・言葉で体感 自己肯定プログラム

2014.02.10

合同会社エデュセンス(大阪市天王寺区)は、まさに「出会いと共鳴によって生まれた会社」だ。子供たちにとって五感を伸ばす教育を楽しみながら行いたいという願いが込められている。

代表を務める奥村みずほさんは子供向けのエンターテインメントショーの司会などで活躍してきたが、ある時から発声障害に悩まされる。一度は引退も頭をよぎったが、懸命にリハビリを続ける中で「色」と出会ったことが彼女の人生を変えることになった。「今までは形に残りにくい仕事をしてきたが、色彩はさまざまな表現ができるコミュニケーションツール。もっと子供たちの可能性を広げられるのではないか」。起業に一歩踏み出した瞬間だった。

そんな時に出会ったのがカラーリストの脇田真紀子さん。色彩検定一級を取得し、学校などでも講師を務める色彩学のプロだ。彼女も子供たちの成長に色彩教育が有効だと共感し、同社の事業を支えるパートナーとなった。

さらに里井敦子さんも自身の経験と知識を惜しみなく提供してくれている。兵庫県佐用町出身の里井さんは「子供たちは色も音も自然のものに触れることが重要」と考え、子供の純粋な感性を大切にしている。複数の色のスクールを運営する頼れるパートナーだ。

そして保育士だった中村順子さんが加わる。保育園だけでは母親の育児に関する悩みが解決されていないと感じ、リトミックと呼ばれる自由に感性を磨く情操教育を学んだ。子供たちの主体性を尊重する、実践的な女性である。

全員に共通するのが「子供たちの自己肯定感を高める」という理念。幼い頃から「どうせ自分なんて」というネガティブな枠にはまってしまう子供を何とか解放したいと、同社は「ピカソプロジェクト」と銘打って色や音に関する体験教室、大人向けのエデュケーター養成講座などを展開。今後は専門学校とのコラボレーションで、色のワークブックを発行する計画もある。多くのパートナーに支えられてきた同社は、これからも子供たちの夢と同じように大きく成長していくに違いない。

(大阪産業創造館 シニアプランナー 竹内心作)

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▲エデュセンスの活動を支える(左から)脇田さん、奥村さん、中村さん、里井さん。全員子育て中のママさんだ

合同会社エデュセンス

http://edusense.jp/