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銭湯で進む革新と挑戦

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昭和40年代には大阪府内に2500軒以上あった銭湯。時代の流れで各戸に内風呂の設置が進み、近年ではスーパー銭湯が台頭するなど、環境変化に適応できなかった昔ながらの銭湯は淘汰(とうた)され、今ではその数、約4分の1となっている。

そんな厳しい経営環境を乗り切り、積極的に独自の取り組みを行っているのが森川商事株式会社(大阪市東淀川区)が運営する「昭和湯」(同)だ。創業以来85年、地域に根ざし続けた銭湯でも最盛期の利用者数には至らない。こうした事態を打開するため、できるだけ多くの人に銭湯を利用してもらいたいと森川晃夫取締役が取り組んだのが「朝風呂」だ。

通常、銭湯の営業時間は午後3時ごろから深夜までの営業が一般的だが、期間限定で土曜日の午前7時から9時半まで開店。利用客にはチラシで宣伝する一方、近辺にのぼりを立てて、通行客にアピールした。深夜の閉店後、準備を整え早朝に開店するのは大変だが、これまでの利用客のみならず、のぼりをみて朝風呂の存在を知った新規顧客が増えていった。回数を重ねるごとに、朝風呂を楽しみに来店する固定客もついたため、現在は、毎週土曜日に実施している。

さらに、銭湯に親子で足を運んでもらおうと新たに始めたのが、「あひる風呂」。小さな子供のいる家庭にはひとつはありそうなあひるのおもちゃ。それを広い銭湯の風呂いっぱいに浮かべる。1000匹のあひるが浴槽に浮かべられ、一面が黄色に染まる様はまさに圧巻。好評を博してメディアにも取り上げられた。

とはいえ、「あひる風呂」の実施後には、おもちゃのパーツをひとつずつ外して消毒し、乾燥させるといった手間隙が発生するため、一度は継続を断念したが、常連からの熱い要望に支えられ、年4回の開催を予定している。

今後は衰退が進む銭湯業界を活性化しようと、廃業を考えている銭湯の運営業務の請負を構想中だ。同業者が手を携えることで銭湯の減少に歯止めをかけたいと意気込む。これからも地域のコミュニティー機能を果たす日本の銭湯文化を継承しながら、革新と挑戦を続ける。

(大阪産業創造館 コンサルタント 東純子)

2013年02月11日
森川商事株式会社
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