世界の自動車づくりを支える専門集団

国内主要自動車メーカーのみならず、海外自動車メーカーと直接取引を重ねるなど、大型プレス金型設計・製作の高度な技術を持つ、明星金属工業株式会社。

世界トップレベル水準のシビアな性能やコストといった要求に応え続けている。その実績や取り組みは一般メディアはもちろん、専門紙に取り上げられることも多い。

「最初は家庭で使われるアルミ製ひしゃくなどを作る金物メーカー。その後、家電製品のパーツなどを製作する時期を経て、モータリゼーションに対応するようになりました」と会社の歴史を語るのは、代表取締役の上田氏。

大型機械が並ぶ工場内部

同社の強みは複数あるが、1つは3D設計システムや3DCAE解析システム、CAM/NCシステムといった3次元の領域だ。

空間上でのモデリングを実現するメトラスキャン(非接触式測定器)といった、最先端のハードウェアを導入。ソフトウェア面でも、図面の段階で製造ラインの工程などを事前にシミュレーションできるシステムを自社開発し、組み込んでいる。

1,800トンの巨大プレス機を導入、設備と人材に投資する

「先代もそうでしたが、挑戦する風土が根付いています。早々にコンピューターに投資し、IoTという言葉が生まれる以前の1980年代から、自動化に取り組んでいましたから」。

パソコン黎明期に、社員がBASICやCOBOLといったコンピューター言語を学ぶことができる環境を整備。その頃の投資で培われた開発力は、脈々と受け継がれており、他社に先駆けて3Dプリンターを使い出したり、3Dシステムを開発したりという独自の強みになっている。

大東市や地域の他社と連携、大東キッズファクトリーを展開

地域の工場見学や職業体験の受入れを行っている企業をとりまとめたMAPも作成、地域貢献活動にも積極的に取り組んでいる

さらに、技術を次世代に伝える人材育成にも注力。「今は“技は盗め”という時代ではない。体系立てて学ぶ環境を整え、成長を促進することが重要です」。

そこで、大手ものづくり企業からOBを招き、マニュアルを整備。スキルが身に付いた若手とベテランを組みあわせて海外の工場に派遣する仕組みを構築し、実践することで高い効果を上げている。

また、「自分の仕事に誇りを持って欲しい」と考えた上田氏の発案で、一つの車種が仕上がる毎に『魂の伝達式』を実施。

プロジェクトに関わった営業や設計、製造などのメンバーや、クライアントの責任者からのコメントをとり、記事にまとめてイベントを開催し、共有する。記事はデータ化し、顧客と直接やりとりする販売店に提供。

昨年の冬に行われた「魂の伝達式」。

「働き方改革で分業化が進む社会の中、“自分のしている仕事が、社会に対してどのように役立っている?”がこれからさらに、わかりづらくなっていくでしょう。社会貢献を実感できる『魂の伝達式』は、大きな意味を持つと思います」と、意義を解説。

「これからは、交通手段がシームレスに繋がるMaaSの時代に突入します。当社はもっと技術を極め、時流に即したビジネスを展開していく方針です」と力強く語る上田氏。進取の気性に富む専門家集団の同社は、これからも進化を続けていく。

代表取締役社長 上田幸司氏

(取材・文/仲西俊光)

2020年03月19日
明星金属工業株式会社
代表取締役社長  
上田 幸司氏
事業内容/プレス金型設計・製作

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