プレスリリースの作り方

【プレスリリースの作り方21】盛る?寄せる?くっつける?!記者の心をつかむキャッチフレーズのつくり方

2020.01.30

「メディアに取り上げてもらえるプレスリリースの作り方」vol.21
元毎日放送記者で、ラジオ報道部長なども務めた大谷邦郎氏がお届けする連載です。

プレスリリースは、お金をかけずにメディアに取り上げてもらえることから、中小企業にとってはかけがえのない“武器”です。それだけに、その特徴を知り、扱い方を学び、日々研鑽してもらいたいものです。
そこでこのコーナーでは、元・経済記者のボクがリリースをメディアに取り上げてもらえるそのポイントを、具体的事例を基に解説していきます。
さぁ、皆さんも一緒に学んでいきましょう!

う~ん、「盛る」という言葉で適当かなぁ?「茶碗にご飯を山のように盛る」といった本来の意味ではなく、ここ最近、若い世代の皆さんが使う「誇張する」「美化する」といった意味の「盛る」なんですが。
いや「寄せる」の方が適当かなぁ?
何に悩んでいるかというと、“プレスリリースのキャッチフレーズの書き方”です。プレスリリースにとってキャッチフレーズは命。ここで、記者の心を掴まないと、メディアに掲載されることなどありません。それどころか、その後の本文も読んでもらえません。それだけに、このキャッチフレーズの制作には心血を注いで欲しいと、相談をしに来られる広報担当者にアドバイスをします。その際「少しぐらい盛って欲しい」と言うと、何だか不正を促しているようで嫌だなと感じることも。それなら、世間が今注目している関心事に「少し寄せましょう」と言う方がマシですかね?ここからも、事実をねじ曲げていると言った不正の臭いがしますか?う~ん、では、これならどうでしょうか?
世間が今注目している関心事に「くっつける」!?
まぁ、アドバイスの際に使う文言は、改めて考えるとして、まず、今回のリリースをご覧ください。


この会社、創業からまだまだ日も浅いので、知名度アップのためにメディアで取り上げてもらいたいと考え、そのためにプレスリリースの活用を思いつきましたが、新商品の発売が予定されているわけでもなく、リリースの「ネタ」に困っていた。そこで、自社の“売り”を見つめ直していたところ、思い付いたのが「障がい者の皆さんにお願いをして商品を製造している」というところ。しかし、それはプレスリリースという紙の上だけでは伝わらない。ならば、記者の方々に実際に現場を見てもらおうという取材会を企画し、それをリリースしようと考えられたのでありました。これはグッドアイデア!
そこで、その取材会開催のリリースを書かれたんですが、当初は、何というかダサかった(笑)そこで、もう少し「盛り」ましょう、いや「寄せ」ましょう、いや、世間の関心事に「くっつけ」ましょうとアドバイスして出来上がったのが、このリリース。「SDGs」や「農福連携」と言った今関心の高いワードを登場させたことによって、記者の目に留まり、地元紙に大きく取り上げていただいたのです。

チアフル株式会社 代表取締役 松本 梓氏

その取材時に撮影された社長の写真がこちら。実にいい写真・・・って、この写真は決して「盛られた」ものではありませんので、誤解なきようお願いいたします。(文/大谷邦郎)

大谷 邦郎氏
1961年、大阪・堺生まれ。 1984年にMBS(株式会社毎日放送)に入社。
大半をテレビ・ラジオの経済記者として過ごし、経済番組の制作にも携わる。その後、ラジオ報道部長、宣伝部長を歴任し、「取材する側」と「取材される側」の両方を経験。そのキャリアを活かし、2016年11月に独立し 「情報発信」や「危機管理広報」などに関するセミナーやコンサルを企業や大学・自治体などで行っている。現在「グッドニュース情報発信塾・塾長」。
著書:『関西唯の人 〜仕事を楽しむ人の図鑑』(星湖舎)等

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