プレスリリースの作り方

【プレスリリースの作り方18】リリースに「楽観主義バイアス」は禁物!必要なのは「エビデンス」

2019.10.24

「メディアに取り上げてもらえるプレスリリースの作り方」vol.18
元毎日放送記者で、ラジオ報道部長なども務めた大谷邦郎氏がお届けする連載です。

プレスリリースは、お金をかけずにメディアに取り上げてもらえることから、中小企業にとってはかけがえのない“武器”です。それだけに、その特徴を知り、扱い方を学び、日々研鑽してもらいたいものです。
そこでこのコーナーでは、元・経済記者のボクがリリースをメディアに取り上げてもらえるそのポイントを、具体的事例を基に解説していきます。
さぁ、皆さんも一緒に学んでいきましょう!

「楽観主義バイアス」という言葉、ご存知ですか?
一言で言えば「これで、大丈夫だよねぇ~」と独りよがりで判断してしまうことです。例えば、今年の9月9日に、台風15号の影響により、大規模停電が千葉県で起きましたが、その復旧に当たっていた電力会社は、最初「11日には全面復旧する」と発表、その後「13日以降に」と訂正し、さらに「2週間以内に」と再度訂正するはめになり、結局、全面復旧はさらに遅れたという事態となりましたが、これが、まさにそうです。楽観主義により誤った判断をしてしまったんですよね。(参考:2019/9/13 日本経済新聞 記事

実は、こうしたケースは、プレスリリースでも、よくあります。

「ウチの商品いいですよ。ウチのサービス、素晴らしいですよ。どうですか?伝わるでしょ!?」と、皆さん、勇んでリリースを持参されます。もちろん、皆さんが「いいでしょ!」と自画自賛出来るものでなければ、それを読む記者の心を掴めるはずなどないんですが、実際は「どこが?」という場合が多いのです。まさに「楽観主義バイアス」の罠に陥っているのです。
その対策の一番は、ちゃんと「エビデンス」を提示することです。それも、イラストや写真を駆使して、パッと見てわかるように、ね。そこに、専門家のコメントが加われば、さらにいい。
そんな、ボクからのアドバイスに素直に耳を傾けていただき、何度も加筆・修正しながら完成されたリリースがこちらです。




このリリース、たった一言で説明すれば「バレエの体験会の案内」ですよね。
しかし、リリースの制作を担当した理事で講師の藤井さんは「バレエでエイジレスが実現出来る」と力説されました。でも、ボクは「じゃぁ、そのエビデンスを示してください」と何度も何度もダメ出しを繰り返したのです。それに対して藤井さんは、めげなかった。投げ出さなかった。バレエで鍛えられた根性は、やっぱり凄い!写真を駆使され、バレエにより、体のどの部分が伸び、鍛えられるかが一目瞭然です。さらに、医師のコメントもちゃんと記載されています。当日、テレビの取材が入りましたが、それも当然かと。

SAY株式会社 藤井治子氏

しかし、このリリースの中で、ボクが何よりビックリしたのは、生徒さんの約75%の方の身長が伸びたという点です。それも、最大で1センチも。あぁ、ボクもやってみたい。ボクなら、3センチは伸びるのではないか・・・というのが、まさに「楽観主義バイアス」なんですよね(汗) (文/大谷邦郎)

大谷 邦郎氏
1961年、大阪・堺生まれ。 1984年にMBS(株式会社毎日放送)に入社。
大半をテレビ・ラジオの経済記者として過ごし、経済番組の制作にも携わる。その後、ラジオ報道部長、宣伝部長を歴任し、「取材する側」と「取材される側」の両方を経験。そのキャリアを活かし、2016年11月に独立し 「情報発信」や「危機管理広報」などに関するセミナーやコンサルを企業や大学・自治体などで行っている。現在「グッドニュース情報発信塾・塾長」。
著書:『関西唯の人 〜仕事を楽しむ人の図鑑』(星湖舎)等

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藤井治子氏

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