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企業規模の拡大より深化させたい

 サラリーマンを辞めて起業した背景を聞くと、大石氏はひと呼吸置いてこうつぶやいた。「私はダメサラリーマンだったので、起業以外に道がなかったんです」。

 高校と大学(数理工学科)を首席で卒業し、システム会社に就職してITエンジニアとして働き始めるが、開発者が労働力を搾取される現場を目の当たりにした。以来、エンジニアにとっての理想的な環境を追い求めて6度にわたり、転職を繰り返した。「でも結局、自分が思うような就労環境を整えている会社はなかった」。最終的に精神的にも限界まで追い込まれ、転職活動をストップ。会社に頼る生き方に終止符を打ち、技術者にとっての最良の環境をめざし、リスクをとって起業した。

 2006年7月にフィードテイラーを設立し、これまで経験を積んできた分野とは異なるウェブシステムの開発会社としてスタートを切る。ウェブの将来性を確信していたものの、「事業化をもくろんでいたRSS技術はまったくお金にならなかった」。

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 転機は2008年。iPhoneの登場を受けてRSSに見切りをつけ、iOSアプリの開発に特化したのだ。一点集中するという〝尖がった〟事業戦略が奏功し、「大阪でiOSアプリの開発ならフィードテイラー」という評価が定着。受託開発の依頼が舞い込むようになった。

 さらにiPadの登場で業務利用が増えると考え、iPad/iPhone用の企業向け文書共有クラウド「SYNCNEL」を自社開発したのだ。これが上場企業各社を含めた100数十社に導入され、受託に頼る受け身の事業モデルから、自社製品で稼ぐ収益モデルを確立した。
 事業が軌道に乗った理由を問うと、「一つ言えるのはアイデアを出し続け、あきらめずにつくり続けていたこと」。そんな大石氏の開発姿勢に時代が味方し、iPhoneとiPadの登場で事業展開に弾みがついた。

 「本当につくりたいと思うものは、自らの手でしかつくり得ない」。システムの自社開発に徹すると同時に、スタッフが増えてきたいま、起業の目的でもある最良の就労環境づくりに執念を燃やす。「企業規模の拡大より深化させたい」そのためにエンジニアが開発に打ち込める環境づくりに注力し、少数精鋭の開発体制をより強化する考えだ。

フィードテイラー大石氏が執念を燃やすエンジニアのための組織づくりはとは▼
http://bplatz.sansokan.jp/archives/725

2013年06月10日
株式会社フィードテイラー
代表取締役社長  
大石 裕一氏

設立/2006年

従業員数/7名

事業内容/iOS(iPhone/iPad)アプリの開発を専業に行う。150万ダウンロードを達成した「そら案内」など100以上のアプリ開発実績を持つ。

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