小魚が体にいいと言われるのは、丸ごと食べられるから。しかし、一般的な魚の可食率は約40%と低く、無駄なく摂ることは難しい。
日本ライフィックスが開発した「美利膳(びりぜん)」は、九州近海のカツオとイワシをまるごと使い、骨や頭はもちろん、ウロコ一枚にいたるまで、余すところなく摂ることができるペプチドスープ粉末ダシだ。
開発に要した歳月は40年以上。魚一匹を丸ごと加工するために苦労したのは、ろ過の方法だった。そこで利用したのが限外濾過膜という宇宙開発で生まれた技術。
「細かい目のガーゼで濾して透明なダシを取るイメージだが、すぐに目が詰まってしまうのが難点だった」と宮本氏。
そこで前工程で材料に処理を加えることで、魚一匹丸ごとのエキスを抽出する製法が確立できたという。ろ過された成分は消化吸収に優れていることが特長だ。
販売開始から5年。健康志向の高い人向けに高級スーパーや健康食品店、フィットネスクラブなどを中心に販路を増やしてきた。最近、生産体制が整ってきたことでコストダウンのめども立ち、今後は一般消費者向けにもアプローチしていく。
お味噌汁に一杯。インスタントラーメンに一振り。そんな手軽さで、日本の食卓を支えていく。
▲魚以外の原材料にもこだわっている。粉末に加工する際に必要となるでん粉は、専用に開発したキャッサバ芋(タピオカでん粉)を使用している。小麦やトウモロコシ由来でん粉は、国産品であっても原材料は輸入品であることが多く、種子まで遡って産地証明が出せないからだという。
(文・写真/北浦あかね)
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