今回は「開発者目線」から「主婦目線」に変えたことで販路が広がった企業のお話。紙袋やラッピング用品など包装資材メーカーのネクスタは「商品開発の流れを見直したい」と、当館の専門家に相談。そこで、まずは自社のロングセラー商品である紙製の水切り袋のリニューアルをすることになりました。
この商品は、キッチンで出た生ゴミなどを入れる紙袋で、側面や底にあいた穴から水切りができ、そのまま捨てられるのがウリの商品です。まず課題となったのは現行商品のサイズ。
そこで、商品のメインターゲットである主婦に他社製品も含めて自宅で実際に使用してもらい、意見を聞きました。その結果「ずれない」「倒れない」「ゴミを入れやすい」などの点から、最適なサイズを決定。デザインも一新しました。
この過程でマーケティングの専門家から徹底的に指摘されたのが、「顧客価値」。従来は、「絞れる穴空き形状」「耐水紙」「燃やせる紙製」を打ち出していましたが、どうしてもメーカー視点だったとか。そこでユーザーにとってのメリットを考え、「三角コーナーがいらなくなる」という打ち出しに変更。女性にとっては、素材や形状よりも、「自分の生活がどう便利になるのか」の方が大事ですよね♪
生ゴミを水切りすることでゴミの減量などエコにつながるため、自治体などのノベルティグッズとしての販路も広がっています。商品自体に好きなデザインができるという利点を活かして、今後は小売店のOEM受託も強化していくそうです。
さらにかわいいキッチン雑貨が増えるかも☆
▲「清潔感がある」「目立たない」と評価が高かった青色をベースにしたデザインを採用。生協のオリジナル商品として人気だ。
【筆者profile】
大阪産業創造館
大阪発☆ヒット商品開発サポート女子部 部長 トクナカ エミ
http://www.sansokan.jp/product/
「いいモノ」が「売れる商品」になってほしい、その想いを胸に、商品づくりに情熱を燃やす人々を女子力全開で熱く応援します!
包装用品と環境保全関連商品の企画・開発・販売。
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