消費者視点でアレンジ加え 地方商材を送り出す
せっかく良い商品でも、販路が見つけられなかったり、ひと工夫が足りないために埋もれたままの商品は数多くある。そこに光を当て、多くの人の目に触れさせ、買いたい気持ちにさせるのがTOMOTOの仕事だ。
夏場の販売がメインの「ごま豆腐」だが、簡単なレシピで冬場でも500万円売れる企画になる。「作る側がどれだけ思いをこめても、消費者がほしいと思わなければ売れない」と小田氏。培った目利き力で既存の商品をヒット商品に生まれ変わらせた事例は数知れない。
創業10余年。現在は300社を超えるメーカーと取引きがあり、全国の生協や高品質スーパーなどと取引きがある。「大手にはできないことを」と、仕入れ先に出向き、産地を見て、根気強く対話を重ねる現場主義に徹し、それがトレーサビリティの確保にもつながっている。
本社近くに2年前にオープンさせた自然食品店「ナチュラルストア日ひなた向」を活用し、そこで売れた商品を販売先に紹介することで“打率”を上げる努力も欠かさない。「良い商品が売れるには、売り先、仕入先の担当者と信頼関係を築くしかない。モノありきではなく、まず人ありき」と社名TOMOTO(友と)に込めた思いを語る。
展示会は同社にとって「いいものに出会う貴重な場」。では小田氏が出会いたいと考える商品はどういうものか。「地方色があるもの。それでいて食べる人を選ばず、万人受けする条件を持っていること」。良い人、モノと出会う旅は続く。
(取材・文/山口裕史)