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油剤に加える添加剤のノウハウでものづくり現場の生産性向上に貢献

規模は追わず困っている課題の解決に徹する

機械の摩擦を減らす目的で用いられる潤滑油剤、金属を切削する時に金属と刃の接触を円滑にしたりするために使われる金属加工油剤を製造する。昭和初期、機械も油もほぼ欧米製で占められていた時代に、創業者が純国産の潤滑油の製造を始めた。「創業者は当初から規模を追うことはしないと決め、客先で困っていることを一つひとつ聞き出して、これを解決するためにどのような油を作るかを考え、提供することに徹していました」。今なおその思いは受け継がれ、少量からの注文を受けている。

原油から石油やナフサを精製した後に残るベースオイルを数種類混ぜ合わせ、求められる条件に適した粘度の潤滑油剤、加工油剤へと調製していく。最適なベースオイルづくりは、長年の膨大なデータが役立っている。同社の強みがさらに発揮されるのはその後のプロセス。油剤は摩擦を防ぐ以外にさまざまな性能が求められ、それを満たすために洗浄剤、防錆剤などの各種添加剤を配合して加えていく。「何をどのような組み合わせで、どういう比率で混ぜ合わせるかがまさにノウハウの部分」。データに加え、化学系学科出身の技術者を15人そろえ、日々配合の研究に余念がない。ただ、「技術者が苦労して得た成果や知識には偏りがでる傾向がある」という。このため社員が得た知識を披露する発表会などを開催し、情報の共有に努めている。

大きな変化が起こる時こそチャンス

営業担当者はおらず、ほとんど口コミで仕事が舞い込んでくる。多いのは、機械の速度を従来よりも50%上げて使用したいというような、生産性の向上を狙った要望だ。加工の速度を上げれば油が高温になって蒸発しやすくなり、酸化も進みやすくなる。また高温によりスラッジ(油泥)が発生し潤滑性を鈍らせてしまう。このため、蒸発や酸化を防ぐほか潤滑性を増すための添加剤を入れる。生産性向上はこうした潤滑油、加工油があって初めて実現する。「油剤の良し悪しで生産性も加工精度も大きく変わる。そういう意味で、当社では油剤を機械の重要構成部品の一部として顧客に説明しています」と油剤の重要性を説く。鉄道線路向けやハードディスクの軸受油など用途は実に幅広い。

同社にとっての大きなチャンスは、「大きな変化が起こる時」だという。自動車の軽量化、電子部品の微小化は使う素材の変化を伴うため、これに対応する油剤も新たに開発することが求められ、同社の出番がある。近年は、地球環境保護の観点から廃油が発生しないようにしたり、工場における作業環境の改善の見地から、臭いを抑制するといったニーズも強まっている。使用量を減らすための油の開発や新たな添加剤の発掘、また、油を使わない水溶性の製品開発にも力を入れている。
近年は日本のものづくり拠点の減少も懸念される上、大手メーカーもカスタムメードの分野へ進出してくるようになり競争は厳しくなっている。5年前に設立したタイの現地法人をはじめ近年は海外展開にも力を注ぎ、新たなマーケットを開拓している。

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▲生産性を向上させるうえでも欠かせない潤滑油剤・加工油剤。

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▲品質管理に万全を期すため試験機器も自社に完備。

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▲【技術力研鑽の極意】「解決できな課題はない」(佐藤 和彦社長)

2012年11月10日
佐藤特殊製油株式会社
代表取締役社長  
佐藤 和彦氏

設立/1949年 資本金/4,228.2万円 従業員数/46名
事業内容/特殊潤滑油剤、金属加工油剤の研究開発・製造・販売。創業以来、自社ブランド「VADEN」を使用。繊維、ベアリング、自動車、エレクトロニクス、鉄道運輸、製鉄、重機、重電向けにカスタムメードで供給している。

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