スタッフ連載

SEO職人として、Web集客で成果を上げるノウハウをつかんだ努力の人。たたき上げのWebマーケター「アド・リング」田中氏の起業ストーリー

2024.04.12

大阪産業創造館 創業支援支援チームの【起業プログラム】を実際に利用し起業した“先輩起業家”を紹介する連載コラム。起業を志したキッカケや、困難に直面したとき乗り越えた方法、また事業を軌道に乗せるために必要なことなど。一歩先をいく先輩起業家の体験談を紹介します。

【起業家図鑑】vol.45
SEO職人として、Web集客で成果を上げるノウハウをつかんだ努力の人。
たたき上げのWebマーケター「アド・リング」田中氏の起業ストーリー

ECサイトの集客サポートや、Web解析士の資格、SEOの知識を活かしたセミナーの講師業なども積極的に行っている田中氏が、苦境を乗り越え「たたき上げのWebマーケター」として起業するまでのストーリーにクローズアップする。

 

▼起業のきっかけ

Webマーケティング支援のプロとして15年以上の経験を持つ田中氏には、これまでの経験を活かし、自分の力を試すために、「独立したい」という思いが芽生えるようになっていた。
しかし、時代はどんどん進み、集客手法は多様化しており、企業でのWebマーケティングとしての能力が通用するか不安だった。
まずは別の企業でWebマーケッターとしての力を試してみようと思い、通販会社へ転職。
入社半年後には月商140万円のサイトを月商1,000万円まで成長させることができ、この経験が自信につながった。

いざ、「独立」への準備を整え、行動を起こそうとしたが、ここでも「果たして本当にこのノウハウを強みに、仕事が取れるのか」という不安が立ちはだかった。
その不安の原因は「営業力」だ。
たとえば、ECサイトなどの集客にリスティング広告を使った場合、10万円の広告費でリスティング広告をうまく活用すれば、最低でも3~40万円程度の売上げを獲得することができる。
会社員時代はプレゼンする機会がなく、そういったノウハウを顧客に伝える「営業力」に自信が持てず、起業に踏み切ることができなかった。

 

▼「起業プログラム『立志庵』」

「独立」「起業」への興味は常に持ち続けていた。
あるとき、情報収集のためにネットで検索していると、2018年に開催された大阪産業創造館主催の起業イベント「起業Boost Night」を発見。

イベント終了後に行われた、起業プログラム「立志庵」の見学ツアーへ参加。立地の便利さや利用価格が手ごろだったこと、また、多彩なセミナーなどに参加することができるなど、プログラムの内容に魅力を感じ、自身の課題を解決する一歩として参加を決めた。

プログラムでは、起業後の予測や基本的な考え方、数字感覚などについて学び、会社員時代経験することのなかった「プレゼン」についても、プログラム内でのワークショップや成果発表を通じて克服する機会を得ることができた。立志庵のメンバーのサポートもあり、自信を持って起業に踏み出すことができた。

創業時の資金については、選んだビジネスが、「サービス」ということもあり、Web作業に必要なパソコンやソフトウェアなどを準備する程度だったため、自己資金でカバーすることができた。
しかし、今後の業務拡大を視野に入れ、リスティング広告など、大規模な受注が入った場合には、広告費の立て替えなども必要となってくるため、将来を見据えて運転資金として今後は融資も検討している。

 

▼創業後の苦労と課題

2019年に起業後、当初は順調に三社の取引先を獲得したが、その後のコロナ禍により取引先が一社に減少。この状況に対処するため、「立志庵」で知り合った先輩起業家からオンラインセミナーのヒントを得て、自身の得意分野であるSEO対策やリスティング広告のノウハウを活かしたセミナーを開催することに挑戦した。最初は月に2~3回の自主開催だったが、徐々に受講者が増え、自分のノウハウを活用した新たな一歩に手ごたえを感じた。予期せぬ展開となったが、本職の集客手法がセミナー講師への道を開くきっかけとなり、新規開拓に必要なアピールポイントにもなった。

このような機会をきっかけに、人脈を広げるために、「自己紹介の質を上げる」ことに注力した。たとえば、過去に参加した起業イベントで学んだ「初見で話題になる名刺づくり」を実践し、名刺には自身のキャラクターや実績を詰め込んだ。口下手であっても、名刺交換の際、相手に名刺に興味を持ってもらい、そこから話が弾むことで効果的なPRの機会となり、「名刺」というビジネスアイテムをうまく活用することで、お客さまの信用を得ることができた。

 

▼未来の起業家へのメッセージ

起業するにあたり、自分にできないことや苦手なことは、お金を払ってでも専門家に任せて、効率よく、目的に向かって進んでいくことは大事だと思います。
成功をめざすには、自分のビジネスやサービスが顧客にとって本当に必要なものなのかを考えることも必要だと思います。

私の場合は、金融機関の統計調査結果を参考にしました。経営者の一番の悩みは顧客獲得であり、そのためにはWeb媒体が最も効果的だとされています。この需要に着目し、自身のビジネスを立ち上げることに決めました。

学生時代は大手企業への就職をめざしていましたが、その目的を果たせなかったことでコンプレックスを抱いていたんです。しかし、実務経験を積んできた今、自身のキャリアを活かしWebマーケッターとして活躍することができると信じています。

起業への道は決して平坦ではありませんでしたが、自分の強みを活かし、切磋琢磨しながら前進していけば、きっと夢を実現できると、今は実感しています。

 

 

アイデアだけでもいい、まずは誰かにそのアイデアについて話してみませんか?
大阪産業創造館では、起業に役立つセミナーやプログラムをご用意しています。

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⇒利用した起業プログラム
起業プログラム『立志庵』
起業プログラム「立志庵」は、6か月の利用期間中、さまざまなセミナーで学び、専門家からのアドバイスを受けながら、事業プランをブラッシュアップし、起業を実現させることができるプログラムです。
https://www.sansokan.jp/akinai/risshian

アド・リング

代表

田中 十升(たなか とおます) 氏

https://peraichi.com/landing_pages/view/ad-ring/

事業内容/企業のWebマーケティング支援やWeb集客のサポートとして、SEO対策、リスティング広告の代行業などのサービスを提供。