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ビジコンをきっかけに飛躍した起業家にあれこれ質問をぶつけたら、ビジネスのヒントがザクザクこぼれ落ちた件〈夢見る株式会社〉編

2023.12.04

【 CASE:2 】夢見る株式会社

夢見る株式会社
代表取締役 重見 彰則氏

関西エリアで小中学生を対象にレゴブロックを使ったプログラミング教室「ロボ団」を100以上展開する重見氏。クリエイティブな人材を育てたいとの思いから、思考力を鍛える講座を組み込んだ学童保育事業で起業したのが27歳の時のこと。合間に開いた工作ロボット教室が人気だったことから徐々にシフトし、2014年、28歳の時に「ロボ団」をスタートした。「社会で求められるスキルを身につける」ことを目標に、二人一組で協力し合いながらプログラムを作る仕組みや、成長度合いを可視化するために検定受験やコンテスト挑戦の機会を取り入れ、評価を高めた。19年には家電量販店エディオンに傘下入りし、ブランド力の向上とエディオン店舗を活用した教室展開で成長スピードを加速させている。今後は、教室卒業生のための大学への推薦入学を支援するサービスの導入も視野に入れており、生徒と長期的に関わりながら未来志向のクリエイティブ人材を育てていこうとしている。

Q:創業したきっかけは?
事業承継する予定が……
父は100年続くケーキ用ショーケースメーカーの経営者。てっきり自分が事業承継するものと思い込んでいましたが、後継指名はまさかの別の縁戚者に。自分が適任だと思っていたのでかなりショック(笑)でしたが、「子どもには選択肢を持たせたい」という父の配慮だったようです。「それならば、自分で」と起業を決めました。

Q:事業を思いついた経緯は?
イノベーションを起こせ!
大学卒業後はコンサル会社へ就職しました。多くの企業の事業再生支援を行ううちに、新たな事業を創出できるクリエイティブな人材の不足を痛感しまして。そこで「イノベーションを起こせる人材」を育てる教育が必要だと考えるようになり、学童保育市場に目を付けました。

Q:日常生活における習慣やジンクスは?
サウナ時間
考える時間をあえて設けるようにしています。そのためにスマホやパソコンを持たずに、考えることに集中できるプライベートサウナを月額契約しました。考えがまとまったら、文字起こしできる音声ソフトに吹き込み、ChatGPTを使ってまとめています。

Q:アイデアを生み出す秘訣は?
違う世界の人と接点を持つ
自分が属さない世界の人と接点を持つこと、でしょうか。世の中のイノベーションは、異なるものの掛け算から起こっていますよね。だから、別の業界の人や異なる世代との対話が重要だと思っていて。現在は大学院でMBA を学んでいますが、そこでさまざまな業界や立場の方と接するようにしています。

Q:ビジコンに参加してぶっちゃけどう?
事業を軌道に乗せるチャンスに
創業1年目で資金繰りが厳しい時に、賞金目当て(笑)でビジコンに参加しました。よこしまな考えかもしれませんが……必死に事業構想を考えることで、自分に何が足りないのか、事業を成長させるためにすべきことを明確にできましたね。もちろん賞金のおかげで、事業が軌道に乗るきっかけを作ることができたのも良かったです。

Q:起業家人生最大のピンチどう乗り切った?
大企業のグループ入り
逆説的ですが、エディオンのグループ入りを決断したことですね。個性を磨き、とがった一匹狼路線をいく選択肢もありました。ですが、クリエイティブな人材をより多く輩出するためには、成長のスピードが大事と考えて。グループ入りしていなければコロナ禍の直撃を受けていたと思うので、今振り返ると恐ろしいですね。

Q:共感を得るためには?
相手の身近なもので“たとえ”る
相手が理解しやすい“たとえ”を混ぜ込んで話すこと。例えば、保護者にプログラミング検定やコンテストの価値を伝えるために、学校のテストや運動会に例えて説明をするようにしています。そうすることで、話していることを身近に感じてもらえて、納得が得られやすくなりますよ。

Q:いい仲間を見つけるには?
WhatではなくWhyを
Whyから始めることですね。例えば「こういう人を求めています」と伝えるときに、役割やスキルなどのWhatを示さないこと。なぜそういう人を求めているかを伝えることで、そこに共感できる人が集まってくるようになりますよ。

(取材・文/山口裕史 写真/福永浩二)

夢見る株式会社

代表取締役

重見 彰則氏

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