Bplatz press

ビジコンをきっかけに飛躍した起業家にあれこれ質問をぶつけたら、ビジネスのヒントがザクザクこぼれ落ちた件〈演出業プレイング〉編

2023.12.01

【 CASE:1 】演出業プレイング

演出業プレイング
演出家 山本 知史氏

父親がはじめた旅行業に2007年から参画した山本氏。日本全国・世界各地を添乗員として飛び回るが、「おもしろい旅を教えて!」と聞かれるたびに困っていた。団体旅行はもちろん個人旅行でさえも訪れる観光地はみな同じ。宿泊施設、食事、お土産にも個性がない。そこで劇団代表として長く活動していた経験から、2020年に新しい事業「エンタビ」を発案して独立。「エンタビ」とは、ストーリー・役者・衣装などで驚きと感動を演出する団体旅行オプションと、あらゆる施設や観光地を盛り上げる演劇型観光案内を提供する旅行・イベント業だ。山本氏が創り出す誰もが本気で登場人物になれるストーリーや、いつもの旅に驚きと感動を与えるプロデュース力が定評。大阪産業創造館が主催する「ビジコンOSAKA 2022」にて「なにわあきんど塾同友会賞」「一般社団法人大阪市産業経営協会賞」をW受賞。旅行業と演劇界を掛け合わせたビジネスの可能性に期待が寄せられている。

Q:創業したきっかけは?
崖を落ちたら飛ぶしかない!
劇団運営を長くやっていたこともあり、起業には元々興味はありました。父が経営する旅行会社に入り15 年間団体旅行の仕事に従事。それがコロナ禍で全滅し、「これはマズい」と団体旅行を演出する「エンタビ」を考案しました。キッカケは「なんかおもしろい旅はないの?」とお客さまに言われ続けてきたから。つまりコロナ禍前からすでに崖っぷちだったのかも(笑)。崖を落ちたら、あとは飛ぶしかない!って感じで。

 
Q:日常生活における習慣やジンクスは?
自分の頭の中をとにかく書き写す
毎月の予定や、やりたいことの優先順位、思いついたことをすぐに手帳に書く「メモ魔」。高1からの習慣で、A5のルーズリーフが1年で5センチ以上の厚さに。おしゃべり好きで、相手がいないときは言いたいことをひたすら手帳に(笑)。最近はそれを全部Google翻訳で英訳して、また手帳に書く。ちなみに今月の最優先事項は「休み」です。

 
Q:アイデアを生み出す秘訣は?
旅に出る
インプットするために旅に出ます。出張も含め毎月全国各地へ。私はやっぱり映画館・博物館・百貨店・駅など建物が大好きな「館ガール」だなと思います。「いま誰か出てきたらおもしろい?」とか、「ここでミステリーが起こったら?」なんて妄想するのが大好物。旅行先でドラマチックなことに巻き込まれるワクワク感、これがうちの事業の根幹です!

 
Q:これまでの活動で印象に残っていることを教えて!
バラエティ番組顔負けの企画で最高の思い出を
ある企業から慰安旅行で「冒険をしたい」「冬の北海道に行きたい」というオファーを受けました。じゃあ、流氷でスリル体験をしてもらおうと。現地の流氷ツアー会社に相談して安全を担保し、みなさんを薄氷のところに連れて行きました。足元が割れた瞬間、全員が阿鼻叫喚。ふと見たら、怖面の社長と、社長のことをビビっていた新入社員が抱き合っていました(笑)。大ウケでしたね!社内の距離感がスコーンとなくなりました。

 
Q:起業家人生最大のピンチは?
金欠
コロナ禍で積み上げてきた仕事がすべてなくなって、劇団員も雇えなくなり、1,000円の本を買うのに1 時間悩んだときはキツかった。お金がないとスタッフに泣きついたら、「働くしかない」と言われ確かにそうだなと(笑)。旅行業だ!演出家だ!と固執していたプライドを、「どんなこともやらせていただきます」に変えた瞬間に仕事がどっと入ってきました。稼げる状態になれたという自信は大きいです。

 
Q:共感を得るためには?
「伝える」をあきらめない
これは自分が生きていくうえでの最大のスタンス。演劇を長年やっていて思うのは、お客さまの受け取り方は千差万別、人の話なんてまぁ聞いてやしない。自分の伝えたいことの3%程度しか伝わっていないと思っています。それでも言い方を変えるなどして、伝わるまであきらめないタイプ!

 
Q:ビジコンに参加してぶっちゃけどう?
選んだ道は間違いじゃなかった!
多くの経営者が「エンタビ」に期待を寄せてくださっていると感じました。それは旅行業でも演劇でもつかめなかった手応えで、自分の選んだ道が間違いじゃないと確信。受賞後は出資者や協力者のご紹介を受け、新規の仕事もとれました。参加のキッカケは飛び込み営業で会った銀行の方。「何の会社ですか?」と聞かれ、説明したらぜひ出ないかと。口座も開設してないのに、感謝しかありません。

 
Q:この人と一緒に仕事がしたい!!それはどんな人?
「自立」と「成長」を止めない人
自立と成長を止めない仲間を求めています。「自分のことは自分で」が基本。贅沢な話ですが、うちには雇われ待ちがいます。「エンタビ」では、驚きの演出でお客さまを異世界に引き込む。そして、本気で楽しむお客さまの姿を幹事さん含めスタッフ全員でほくそ笑む、その瞬間がたまらないんです!

(取材・文/花谷知子 写真/福永浩二)

演出業プレイング

演出家

山本 知史氏

https://www.gekidanplaying.com