大ヒット商品、ぷっくりキラキラな「ボンボンドロップシール」

一大ブームを巻き起こしているシールがある。「ボンボンドロップシール」。株式会社クーリアが開発したデコレーションシールで、2025年末時点での出荷数は累計1,500万枚にのぼる。文具・シールカテゴリーとしては異例の規模で、現在は店頭、同社オンラインショップともに品薄、売切れ状態が続いている。「まさか、ここまでのヒット商品になるとは想像していませんでした」。そう話すのは同社開発部の倉掛氏だ。

開発部 社長室 室長 倉掛誠一氏
ボンボンドロップシールは動物や有名キャラクターをモチーフに多彩な絵柄を揃え、ぷっくりとした立体感のある形状が特徴。もともとは未就学児や小学校低学年の子どもたちをターゲットとして開発がスタートしたが、デザインのかわいらしさとキラキラ感に「大人女子」が敏感に反応。スマホケースに貼ったり、ネイルやアクセサリーのパーツに使ったりと、用途は想定を超えて広がっている。「本来のターゲットである子どもたちと、その親世代にあたる、平成時代に幼少期を過ごした女性、いわゆる「平成女児」の目に留まり、SNSでコレクションを発信してくれている。その縦横の広がりが大きな消費層につながっているのだと思います」と、倉掛氏はブームの要因を分析する。

同社はこれまでも、カプセルシールやウォーターシール、タイルシールなど、多彩なシールを手掛けてきた。倉掛氏によると「ボンボンドロップシールは、これまでのシールの良いところを結集させたシール」なのだそうだ。

一般的なシールは平面的で柔らかい素材が多いが、ボンボンドロップシールはカプセルの中に樹脂を封入した硬さが特徴だ。また、一つひとつに細かな凹凸をつけることで、光を受けたときのキラキラ感を演出している。さらに、カプセルの表面と内部の底面に絵柄を印刷。デザインを二層構造にすることで、より奥行きのある立体感を生み出した。実は、この開発工程こそがデザイナーたちの腕の見せ所だったという。内部の絵柄は樹脂で膨張して見えるため、完成時にどのように見えるかを想像しながら絵を描く。その作業を150以上の絵柄すべてで行っている。こうした細やかさが、消費者のコレクション意欲を掻き立てるのだろう。

そして、ヒット商品の背景には組織風土もある。同社ではマネジメント職を最小限にし、大半の社員が上下の役職にしばられないフラットな体制で働いている。立場にとらわれずアイデアを出し合う、自由で柔軟な雰囲気の組織。ボンボンドロップシールはそんな土壌で生まれた製品なのだ。

(取材・文/荒木さと子 写真/福永浩二)
《 販 売 秘 話 》
うれしさの反面、対応に苦慮
正直なところ、ここまで売れるとは思っていませんでした。予想以上の反響に商品の供給が追い付かず、本当に頭を悩ませています。欲しいと思ってくださっているお客さまの手に届かず、心苦しい気持ちでいっぱいです。現在、工場の拡大を進めながら、全力で生産体制を見直しに取り組んでいます。ボンボンドロップシールが再び店頭にキラキラと並ぶ日をめざして、会社一丸となって対応しているところです。









