「一人で頑張らない」みんなで互いに高め合う「支え」を大切に。
大阪産業創造館 創業支援チームの【起業プログラム】を実際に利用し起業した“先輩起業家”を紹介する連載コラム。起業を志したキッカケや、困難に直面したとき乗り越えた方法、また事業を軌道に乗せるために必要なことなど。一歩先をいく先輩起業家の体験談を紹介します。
『一人で頑張らない』みんなで互いに高め合う『支え』を大切に。
『1人で頑張らない みんなで支える、次世代の在宅医療』として、地域医療を24時間365日支える「24MEDICAL」代表の八木さん。前職も医療関連の仕事に就いていたが、さまざまな環境下にある患者さんたちを目の当たりにし、医療を必要とする方たちのために地域医療として24時間365日支えることができるシステムの構築が必要だと考えていた。ある程度のアイデアが固まったところで新事業の素案を職場の上司に提案したが、その時点では事業として成り立たないという結論に至り、「自分でやるしかない」と起業を決めた。
『思いつきだけでは事業として成り立たない』と思い、これまでの人脈を活用し、さまざまな分野で活躍する経営者たちへ相談を重ね事業案を形にしていった。しかし、自己流で事業計画書を作成し融資相談をしたところ、金融機関に受け入れてもらうことができなかった。ふりだしに戻り行き詰っているときに『大阪産業創造館』で創業相談を受け付けていること知り、早速相談をしたところ、ビジネスモデルが固まっており、事業計画書の素案があることから【融資が必要な人のための事業計画作成講座】への参加を勧められ、すぐに受講を決めた。
同講座は、日本政策金融公庫（大阪創業支援センター）をはじめとする複数の金融機関の協力で、実際に融資審査をする側の視点からの具体的なアドバイスを元に、金融機関へ提出する事業計画書をブラッシュアップしながら作成することをゴールとしている。実勢に作成していくうちに自分に足りないものの発見や、事業の展開など先々の経営スタイルについてもビジョンがはっきりとしていったことは、参加した大きなメリットでもあった。受講後は、完成した事業計画書で目標額の資金を確保することができ、取引先の多かった住之江区で開業した。
同社では、八木さんの掲げる『一人で頑張らない みんなで支える』という理念を事業内でも取り入れている。個々の能力を伸ばすには互いに高め合うことが必要だと考えていた八木さんは、自主的に業務に携われる環境として、スタッフ全員が経営に携われるシステム『ティール組織』を導入。ピラミッド式の上下関係による規則や決まりごとや役職などを撤廃し、社内のすべてを並列にした。驚くことに、報酬や預金通帳など会社内のお金の流れなどの情報開示も共有し、決算賞与においてはすべての必要経費を引いた残金分を頭割りで配当しているという。スタッフ全員に責任もついて回るが金銭的に満たされることで、仕事に集中してもらえる環境を提供したいという考えだ。
八木さんはちょっと困ったように「僕の報酬もすべて開示しています（笑）」と教えてくれた。良いときも、悪いときもすべて共有することで、今会社がどのような状況にあるかを一緒に考えてくれるのは、経営者としてもメリットであった。個々の能力の差が出る場合もあるが、デメリットとならないよう、周りに相談できる環境づくりにも注力している。
八木 竜馬氏
起業当時を振り返り、当時作成した計画書と今の経営状況を比較すると、人件費などの見積もりに誤差が出るなど計画とは違う部分もあるが、売上げ予測についての整合性は取れており事業は順調に進んでいるという。また、起業後3年を経過した今、事業の成長性が認められ金融機関からのマッチングの提案なども受けている。
「一人で頑張らない みんなで支える」という考えは企業単位にもいえることで、一つの企業だけではできることには限界がある。他の地域の企業などと協力しながら、この大阪でさらに大きな事業にもチャレンジしていきたいという意気込みを語ってくれた。
大阪産業創造館では、起業に役立つセミナーやプログラムをご用意しています。
⇒利用した起業プログラム
融資が必要な人のための事業計画作成講座
確実な資金調達を希望している起業前後の方に
https://www.sansokan.jp/yuushi/
⇒現在受講者募集中
【融資が必要な人のための事業計画作成講座】2023年10月－2024年1月 開催
申込締切：2023年9月25日（月）
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=41108
