ジオフロー株式会社が提案する新たな住まいのかたち。アートとVRで実現するリノベーション
大阪産業創造館 創業支援チームのプランナーが起業家を紹介する連載コラム。起業を志したキッカケや、困難に直面したとき乗り越えた方法、また事業を軌道に乗せるために必要なことなど。一歩先をいく先輩起業家の体験談をプランナー目線で紹介します。
アート×インテリアで築古物件のリノベーション
(起業家3名のコラボレーション事例)
阪神地区にある築50年のアパートの一室。駅に近接した好立地だが、オーナーの意向で収益運用されず近年は倉庫として使用されていた。
その倉庫空間を不動産会社であるジオフロー株式会社の井上氏がオーナーより借り上げ、住居スペースとして賃貸する計画を提案した。オーナーの了解を得て室内を改造し、アーティストが壁面にペイント。築50年の元倉庫の空間は、アートが壁面を彩る新たな住居空間に生まれ変わった。
完成した物件には、アーティストやクリエイターに住んでもらうことを期待している。また、関西圏に賃貸物件をもつ不動産オーナーに対し、今回の事例をPRしアートを活用したリノベーションを提案していくことを検討している。井上氏は「アートにより既存物件に新たな魅力を付加し、アートに関心の高い一定層の集客を期待できることがメリット」だと語る。
今回のプロジェクトを始めるにあたり、井上氏はクリエイティブ全般のプロデュース業務を行うWalk The Talkの林氏に相談した。林氏は京都市立芸術大学大学院を修了し、後輩を含め多くのアーティストのつながりを持っている。そのなかで本プロジェクトに共感してくれたアーティストへ制作をオファーした。コンセプトはアーティストとディスカッションを重ね「作品を生み出すアトリエをイメージした居住空間」とした。アーティストは室内の縮小模型を製作して絵の配置を計画し現場で実寸に合わせたペイントを施した。内装とアーティストの作品がうまく融合された。
林氏は、「アーティストの作品が居住空間に創造的で自由な息吹をもたらし、躍動的で原初的なフォルムの呼応を愉しめる、癒される空間づくりができた」と評価する。今回のプロジェクトについて、発足から経緯をまとめ、近日中に林氏のホームページ上で発信する予定だ。ホームページに掲載するコンテンツについて、林氏はドローンによる撮影業務を行うフライングスターの小林氏に相談し、室内の360度撮影をすることになった。現在、仮想空間で360度見渡せるVRデータを作成中だ。
小林氏から、高画質のVRデータであれば、現地に行かなくてもWeb上で室内空間を内覧することも可能になるとの提案があった。小林氏の提案を受け井上氏は入居者の集客や不動産オーナーへの内覧にVRデータを活用したいと考えている。林氏もアートのコンテンツ発信に活用できればと考えている。
今回の井上氏、林氏、小林氏はいずれも大阪産業創造館14階で起業を実践するプログラム「立志庵」の卒業生。卒業時期は異なるが、起業家仲間の集まるコミュニティで知り合った。3人の出会いと協力により、不動産とアートとVRのコラボレーションが、新たな創造価値を生み出すプロジェクトを発進させた。
【 メンバー 】
ジオフロー株式会社
代表取締役 井上 大陽氏(立志庵2018年12月卒業)
https://geoflow.co.jp/
事業内容/不動産売買・賃貸、サブリース
Walk The Talk
代表 林 歩氏(立志庵2022年9月卒業)
https://wt-alk.com/
事業内容/アートマネージメント、クリエイティブディレクション
フライングスター
代表 小林 眞氏(立志庵2018年12月卒業)
https://flying-star.jp/
事業内容/ドローン撮影・360度パノラマ撮影
(取材・文/大阪産業創造館 創業支援チーム
起業プログラム&デスク「立志庵」マネージャー 明田豊広)
ブース、ロッカー、打合せスペースなど24時間365日利用できる!
起業プログラム&デスク「立志庵」 https://www.sansokan.jp/akinai/risshian/
ジオフロー株式会社 代表取締役 井上 大陽氏
Walk The Talk 代表 林 歩氏
フライングスター 代表 小林 眞氏
すまえるアートプロジェクト https://wt-alk.com/lp/smaele-art-project//