ラジコン用エンジン開発85年の職人達が突き進むその先は 無人航空機業界へ挑む開発型企業【前編】
ちょっと脱線してしまいました。話をエンジン全般に戻しましょうか。創業して早々エンジンを生産されているんですが、この頃はどういったものに載せるエンジンだったんでしょうか。模型の車?飛行機?
吉田さん「最初の頃に生産していたのは『フリーフライト』という飛行機向けのエンジンで、飛ばしたらそのまま飛んでいくタイプの模型飛行機です。その後に無線で操縦するラジコンに載せるようになりました。今は作っていませんが、プロポ(リモコン側)も製造していたんですよ」。
ところで、さっきから気になってるんですが、このエンジンは何ですか。
吸気部分に何か機械がついている。この形はもしかして、ルーツブロワー?
漢のロマンが具現化した装置、そして声に出して言いたい日本語!「スーパーチャージャー」ではないですか!
吉田さん「その通り。珍しいスーパーチャージャー付エンジンです。ラジコンのF3Aという競技用でアクロバット飛行をする飛行機用なんです。ラジコン飛行機の世界大会があって、このエンジンで2年連続世界チャンピオンを獲得しています。趣味とはいっても皆さん人生をかけて真剣に参加されているので、エンジン作りも極めて真剣に作り上げているんですよ。飛行機自体も相当の大きさになるので、中には専用の車で運んで来られる方も多いです。そういう方たちがお客様になっていただけるおかげで、会社としてはやっていけると感謝しています」。