世界の起業家を大阪へ!「スタートアップビザ」の取得を支援

外国人起業家の受入拡大と起業促進を目的に2019年3月から始まった「スタートアップビザ」。窓口を担当する大阪産業創造館 創業支援チーム 石嶺と、制度を利用し起業したマカチョフ氏から話を聞きました。

 
――「スタートアップビザ」について教えてください

石嶺:大阪産業創造館では、「外国人起業促進支援窓口」を設けています。この窓口の主な目的は、外国人起業活動促進事業(通称:スタートアップビザ)の申請を受け付けることです。

ビジネスの活性化や国際的な競争力強化のために、日本で起業する外国人を増やしていきたいという方針を国は掲げています。しかし、外国人が日本で起業するためには、ハードルの高い「経営・管理」という在留資格を取得する必要があります。
そこで設けられたのが「スタートアップビザ」です。この制度を活用すると、起業に向けた準備を「特定活動」として、最長1年間にわたって外国人が国内に留まることが可能になります。私たちは、大阪で起業を考えている外国人に対して、スタートアップビザの取得を支援すること、そして、特定活動期間中に行う会社設立と「経営・管理」取得のサポートを行うことを主な役割としています。

 
――マカチョフさんはどうして大阪での起業を考えたのですか?

マカチョフ氏:私はスマートスピーカーを使った会話の技術開発をしています。これまでにウズベキスタンやロシア、香港、そしてサンフランシスコで暮らし、仕事をしてきました。サンフランシスコでは会社を立ち上げたスタートアップの経験もあります。日本には以前から興味を持っていて、いつか日本で住みたい、日本で仕事をしたいと考えていました。そこで、日本で起業する方法を調べているときに出会ったのが、大阪産業創造館の支援事業です。さっそくコンタクトを取り、メールでのやり取りを重ねながら、大阪での起業を決めました。

石嶺:当館が支援事業を始めたのが2019年5月13日。マカチョフさんからの問い合わせがあったのが5月31日、海外からお問い合わせいただいた最初の方でした。

 

susuROBO株式会社 共同設立者/最高経営責任者 マカチョフ マキシム氏

 
――起業、そして「経営・管理」ビザ取得までの道のりで、苦労したことや、役に立った支援をお教えください

石嶺:最初の大きな山場は、スタートアップビザを取得することでした。そのためには事業計画書などの書類を作成し、大阪市から「1年以内に起業できそうだ」と認めてもらう必要があります。

マカチョフ氏:当社が取り組むAI技術は、日本でも大きな期待を集めている分野です。ただ、当社固有の技術の日本でのニーズや適切なビジネス展開の方法については見通せない部分もありました。そこで産創館のコンサルタントに相談し、アドバイスをいただきました。書類の書き方も手伝ってもらいましたが、ビジネスモデルの相談に乗ってもらえたことが非常に助かりました。

石嶺:産創館には中小企業診断士をはじめ、事業プランづくりからお手伝いできるスタッフが揃っています。もちろん、行政書士をはじめとした書類作成や手続きのプロもいます。産創館のリソースをフル活用し、スタートアップビザの取得に向けてお手伝いしました。

マカチョフ氏:銀行で口座を作るのは大変でした。大手銀行では、申込みから口座開設まで半年ほど時間がかかると言われました。これでは会社設立に間に合いません。また、携帯電話を契約しようにも、銀行口座がないと手続きが煩雑になります。私の場合、デポジットを入金することで契約できました。

石嶺:スピードはとても重要でしたね。スタートアップビザは更新を含めて1年間有効だとはいえ、期限内に「経営・管理」ビザを取得することから逆算していくと、1つひとつの手続きに使える時間はごく限られています。申請の時期が限られていたり、審査に時間がかかるものも多いのです。そのため、常に時間は意識していました。

 

大阪産業創造館 創業支援チーム シニアコーディネーター/JBIA認定インキュベーションマネージャー 石嶺一樹

 
――支援制度やサポートの中身について、改善を期待することはありますか?

マカチョフ氏:スタートアップビザをめざす外国人起業家のなかには、まったく日本語が使えない人もいるはずです。そういった人のために英語での情報発信とサポートに力を入れてもらいたいですね。あとは、銀行への同行など、個人の細かな困りごとや悩みに応えてもらえると助かります。同様の支援制度は日本のほかの都市でも行われているので、そういった個人への対応が、大阪を選んでもらう理由になっていく気がします。

 
――スタートアップビザをめざす外国人起業家へメッセージをお願いします

マカチョフ氏:大阪は最高です。言葉も料理も文化もユニークで、とても魅力的。みなさんフレンドリーで、すぐに友だちになることができます。スタートアップのコミュニティーを広げていきたいと考えているのですが、ぴったりな場所だと感じています。
ベンチャーキャピタルの数やスタートアップに関する情報の量など、確かに東京が有利な面はあります。でも大阪は、スタートアップ企業が少ないからこそ、補助金や個別のサポートを得やすいなどのメリットもあります。生活費も安いので、ぜひ大阪での起業を考えてみてください。

石嶺:スタートアップビザの取得に向けてビジネスプランを作り込む過程で、日本の市場を深く理解できるはずです。それにより、起業後のビジネスの成功率は高まると思います。「マーケティング調査を行いたい」「日本市場にマッチするビジネスプランを考えたい」という方も、スタートアップビザの相談にお越しいただければ、力になれると思います。
数ある日本の都市のなかから大阪を起業の場所として選んでいただいたからには、私たちは全力でサポートします。みなさんからのご連絡をお待ちしています。

 

(取材・文/松本守永)

 
大阪産業創造館 外国人起業促進支援窓口
動画で解説中!詳しくはコチラ ⇒ https://www.sansokan.jp/startupvisa/

2021年09月15日
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