心に響く「町工場バーチャル展示会」で三方良し

MP-Strategy代表の目黒氏は東大阪市出身。社会人としてのキャリアは、より豊かなビジネス・チャンスを求めて東京でスタートした。ITに強いコンサルタントとして外資系企業、ベンチャー企業、製造業などさまざまな職場を体験。創成期のライブドアに在籍した経験もある。

「東大阪は昔と全然変わっていない」。それが8年前に里帰りした目黒氏の印象だった。慢性的な人手不足で営業員不在の町工場では、得意先とのやりとりはFAXという会社も多く、今で言うDX(デジタルトランスフォーメーション)への意識は低かった。

目黒氏は所属する地元の企業家団体で、これからのDXの必要性を繰り返し提案。4、5年が過ぎた頃、ようやく町工場のオーナーの意識に変化が現れ、24時間全国に情報発信でき、営業員の代わりとなるホームページ作成を目黒氏に依頼する会社も現れてきた。

そんな目黒氏が、地域の小さな会社のDX推進をさらに進める取り組みとして、オンラインで手軽に工場見学ができるVRバーチャルツアー制作サービスを展開。2020年12月現在、「OSAKA町工場EXPO2020」をネット上で開催している。

「コロナ禍で大阪の町工場が苦戦しています。リアルの展示会を都心で開けば大きな費用が必要。しかも今は、展示会をしても人が集まれない。地図上の特定地点をリアルな画像で見られるGoogleストリートビューにヒントを得、訪問者が自由に工場内を回遊できる『happyPano』を開発しました」。

happyPanoは1コマずつ撮影した画像をつなぎ合わせることで周縁部分の湾曲を抑えた。また、人間の視力に近い映像、そして動画を埋め込めるなどカスタマイズが可能な点が特色。町工場のバーチャルツアーを実現することで、商機の促進、学生にアピールするリクルート効果、さらに自社工場を見直すことで社員のモチベーション高揚に貢献でき、まさに三方良しのプロジェクトと言える。

最新のテクノロジーを駆使しつつも、目黒氏がこだわるのは「人」と「共感」。「魅力的な町工場には、仕事を愛する個性豊かな人がいます。そして社員が共感できる理念を経営者がしっかり持っている。そんな町工場の面白さを発信するサポートをしていきたいですね」と目黒氏。全国の自治体とも連携を進める同社。地域産業、観光、商店街の活性化など、心を大切にする同社のバーチャル・メディア戦略に大きな可能性を感じた。

代表 目黒 充明氏

(取材・文/山蔭ヒラク)

2020年12月22日
MP-Strategy
代表  
目黒 充明氏
事業内容/ものづくり・新規事業開発支援

今月の町工場で働くオトコマエ

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