プレスリリースの作り方

【プレスリリースの作り方30】勉強熱心な姿勢から生まれたコラボ事例

2020.10.22


「メディアに取り上げてもらえるプレスリリースの作り方」vol.30

元毎日放送記者で、ラジオ報道部長なども務めた大谷邦郎氏がお届けする連載です。

プレスリリースは、お金をかけずにメディアに取り上げてもらえることから、中小企業にとってはかけがえのない“武器”です。それだけに、その特徴を知り、扱い方を学び、日々研鑽してもらいたいものです。そこでこのコーナーでは、元・経済記者のボクがリリースをメディアに取り上げてもらえるそのポイントを、具体的事例を基に解説していきます。さぁ、皆さんも一緒に学んでいきましょう!

 
彼は、本当に熱心です。
自らイベントを企画した際、あるいはゲストでイベントに呼ばれる際も、毎回サンソウカンに来られて面談を受けられます。

「どんな風に、情報を発信すれば良いのか?」と。彼は、いつもしっかりメモをとられながら、一言一句聞き漏らさないぞ、という姿勢で面談を受けられます。

かといって、ただこっちの言うことを聞いているだけではなく、自分の意見や質問を交えながら、何とか答えを持って帰ってやるんだ、という姿勢で来られます。

 
下の写真で、感謝状を手に、少しはにかみながら微笑むのが彼です。彼は、親子2人で営む熔接所の代表・柊谷篤司さん。一方、左側に写っているのが大阪市西区の岸本孝之区長です。

 

 
なぜ、区長とのツーショット写真が撮られ、なぜ、感謝状を手にしているかというと、柊谷さんらは、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、飛沫感染防止枠を西区に寄贈したからです。それも22台も。素晴らしい!

彼は、その寄贈する前にも、プレスリリースを出したいと、サンソウカンで面談に臨まれました。

その際ボクは「確かに素晴らしい行為・・・ですが、今は、同じような動きが多々あり、ただそれだけでメディアが取り上げるのは難しい。他社とチームで活動した、というのなら、そこを強調すべき!また、デザイン性が優れている、というのであれば、そこをしっかりビジュアル化すべき!そもそも、何故そうしたことをしようと思い立ったのかを、明確にすべき!」と申し上げました。

でも、助言はそこまで。あとの細かいところまでは、言及していません。しかし、いつものように熱心にメモをとっていた彼は、こんなリリースを作成し、メディアに送りつけたのです。

 

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いやぁ、本当に素晴らしい!なんと7社が取材に来たそうです。

小さな中小企業であっても、仲間を募り、知恵を絞り、機を逃さず行動すれば、こうした成果が得られるのです。なので、こうしたリリースの制作は面白い。大企業にだって勝てるのですから。

 
ただ皆さんに知っておいていただきたいのが、情報発信には3つの要素が必要だということ。1つは「論理的」に伝えること。2つ目は、時に「感情」に訴えること。そして3つ目が、人として、あるいは社としての「徳」を積んでおくことです。

「彼ならば、あの会社ならば応援してやろう!」という徳を積んでおきましょう。そう、この柊谷さんのように。

 
(文/大谷邦郎)

 

大谷 邦郎氏
1961年、大阪・堺生まれ。 1984年にMBS(株式会社毎日放送)に入社。
大半をテレビ・ラジオの経済記者として過ごし、経済番組の制作にも携わる。その後、ラジオ報道部長、宣伝部長を歴任し、「取材する側」と「取材される側」の両方を経験。そのキャリアを活かし、2016年11月に独立し 「情報発信」や「危機管理広報」などに関するセミナーやコンサルを企業や大学・自治体などで行っている。現在「グッドニュース情報発信塾・塾長」。
著書:『関西唯の人 〜仕事を楽しむ人の図鑑』(星湖舎)等

 
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柊谷熔接所

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柊谷 篤司氏

http://hiragitani-welding.com

事業内容/金属加工(主に溶接)・金属製品製造