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介護現場の負担を軽減したい

2013.03.10

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介護施設や病院の夜間は人手が極端に少なく、夜勤にあたる人は入所者や患者の様子を一度に把握できず不安を抱えている。そんな介護現場に力強い助っ人が誕生した。その名もズバリ「みまもりロボ」。小型カメラとマイクを備え、多忙な介護スタッフが複数の現場を同時に見守ることができるのだ。無線LANの環境があれば工事なしで手軽に設置でき、赤外線カメラも備えることから暗い場所での撮影も問題ない。スタッフはタブレットやスマートフォンで現場の様子をいつでも確認し、必要があれば声かけもできる。

開発したのは、ハイコムの岸本氏とパーソナル・テクノロジーの坂本氏。「ITやロボットテクノロジーを使って介護現場の負担を和らげたい」。そう常々話し合っていたところ、カメラやマイクなどの機能が一体化した製品の存在を知った。「これは使える」。両氏はすぐに「みまもりロボ」のコンセプトをまとめて介護現場のニーズを調査すると、「使ってみたいという人が多かった」。そこで2012年6月、試作品の開発をスタートする。

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これまで複数のロボット開発のプロジェクトに関わってきた坂本氏は、その経験から「ロボットの存在を受け入れてもらうためにはキャラクター化が必須」と考え、そばに置いても違和感のないキャラクターデザインに取りかかる。加えて工事の手間を省き、手軽に設置できるようバッテリーも搭載するなど、現場の負担を軽減するためのすり合わせが急ピッチで進む。その結果、開発を始めたわずか3ヶ月後の9月末には試作品が完成した。

開発を急いだ理由は国際福祉機器展に出展するため」と岸本氏。世界の福祉機器を一堂に集めた展示会で顧客の評価を確認し、量産化に踏み切るかどうかの判断をしようと考えたのだ。結果は好評で、現在は量産化に向けた設計や金型製作などに取りかかっている。今春には実機第一号が完成し、介護現場でのテスト運用を行う予定だ。

「医療介護の現場はいまでも超アナログの世界で、IT化が相当遅れている」と岸本氏は危惧する。その結果、人手に頼る部分が多く、現場スタッフの作業が煩雑化しているという。

『みまもりロボ』などのロボットはもちろん、ITを使ったインフラ整備を行い、介護現場の負担を軽くする。そうすることで「本来の、人の手をかけてケアすべきところにスタッフのみなさんは集中することができる」という。そんな医療介護現場の環境改善に貢献することが両氏のめざす近未来像だ。