技術とマーケティングで未来のデザインモデルを成形
製造業に携わる人なら、金型の占める重要性は誰もが知っている。
住宅の内外装、自動車の内装、スマートフォンのケースなどの雑貨、生活に欠かせない製品の多くは金属や樹脂などの素材を形にする金型から生み出される。
知る人は少ないがトイレットペーパーには筒状になったエンボスロール金型が必須で、微細な凹凸が刻まれたロールを通過することで柔らかくなり「お尻にやさしい」ペーパーができあがる。
日本経済の発展を支えてきた金型業界は、商品メーカーの要望に忠実に応える縁の下の力持ち的な役割を長年果たしてきた。
一般消費者の目が肥え、デザインも機能もより高度で高品位なものが求められるようになった現在、単に下請け的なポジションを超えて、独自の技術開発力により、メーカーへの提案力をもつイノベーティブな金型メーカーが注目を集めている。
その先頭集団を走るのが三木製作所だ。
天然素材などの複雑なデザインを忠実に3Dデジタルデータに再現し、3次元微細加工により超高精度な金型を製作するのが同社のコア技術。
金属刃で直彫りするマシニングセンタは600μmの切削が限度だが、同社が2015年に導入したファイバーレーザー加工機は30~50μmの超微細な切削を行うことができる。
「天然素材の微妙な質感をより忠実に再現できるので、建物の内外装材メーカーからの依頼が最も多く、次いで 自動車、製紙、半導体などの多彩なメーカーから受注しています」。
精度と時短のせめぎ合い、それが金型メーカーの宿命。精度を追求すれば、製作に時間がかかるからだ。
三木氏らがめざすのは、マシニングセンタとファイバーレーザーのドッキング。「現在は別々の工程で行われており、その分人手が必要ですが、ここを全自動にできれば精度と時短の両立が実現します」。
マーケティングを主に担当する三木氏は、「当社は20年前までほぼ100%自動車用の金型づくりに依存し、阪神淡路大震災では受注が激減し存続の危機に陥りました。建材メーカーといった一つの業界だけに受注を絞り込むのはリスクが大きい。多様なニーズを発掘して手を広げていくことが、事業の安定化につながります」。
技術とマーケティング、この両輪のバランスで、三木氏達は金型の未来をカタチにしていく。
(取材・文/山蔭ヒラク)
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