スタッフ連載

Vol.18 大学の数や学部数、学生数が最も多い若者の街「東淀川区」

2019.10.16

 
ITが社会のさまざまな分野に幅広く浸透・拡大し続けている背景などもあって、企業が求める人材の水準が高学歴化しています。

こうした背景もあって、我が国の4年制大学は、平成元年には499校に過ぎませんでしたが、年々増加の一途をたどっており、令和元年には786校にも達しています。実に31年間で287校も増えたことになります。

大阪市に関しては、平成元年には5校でしたが、令和には11校にまで増えており、増加率では政令指定都市の中で3番目に高いものの、京都市も6校増えています。

このように、大阪市は政令指定都市の中でも人口や企業数の割に大学が少ない状態は依然変わっておらず、令和でも8番手と中位に過ぎません。

 
では、区別に見るとどうなのでしょうか。

最も基本的な大学数(4年制)で見ると、2校を有するのが東淀川区(大阪経済大学と大阪成蹊大学)と住之江区(森ノ宮医療大学と相愛大学)で、トップです。

それ以外に1校を有する区が8区あります。住吉区にある大阪市立大学(市大)は全国の公立大学の中でトップクラスの規模を誇りますが、大学にはマンモス校もあれば小規模校もあることから、大学関連の6指標(大学数、学部数、教員数、職員数、学部学生数、大学院学生数)を用いて、大阪市全体に占めるシェアの大きい4区についてグラフ化してみました(図1)。

 

図1 大学関連の指標で存在感のある4区のシェア

注:学校数については、大学本部の所在地で計上。学部数、学生数については在籍する学部、研究科等の所在地による。( )内は大阪市全体のデータ。
出所:大阪市「大阪市の学校統計(平成30年度学校基本調査)」

 
東淀川区は学部学生数と学部数でもトップにあり、ともに市全体の3割以上を占めており、市内で唯一、社会科学系の夜学もあります。

住吉区は、総合大学の市大があるため、職員数、教員数、そして大学院学生数では突出して多くトップにあります。

また、旭区に本部がある大阪工業大学は、工学部の学生数では全市の8割近い学生数を有するなど、それぞれの区に特徴があります。

 
大学院生も含めた学生総数でも東淀川区はトップであることにより、年齢階級別の20~24歳人口は13千人以上となっており、この階層では市内の8%強を占めトップです。

また、この階層の人口に対する学生総数の比率は77.8%にも達し、多くの学生が東淀川区に住んでいる可能性が指摘されます。

 
この階層の人口シェアを区別で比較すると、東淀川区は男女ともに7.4%を占め、極めて高い水準にあることから“大学生の多い若者の街”と言えましょう。

他方、市大のある住吉区の人口シェアは5.7%に過ぎず、若者の街とは言えそうにありません。

 
このような特性から、東淀川区では学生が生活するのに必要なコインランドリーやコンビニなどの生活関連産業に対する需要が他の区よりも多いことが推察されます。

 
(取材・文/大阪産業創造館 徳田裕平)

大阪産業創造館 徳田裕平
建設コンサルタント会社やシンクタンクを経て、縁あって旧・大阪都市経済調査会の事務局長に就任。
大阪市をどうやって元気にするかをテーマに日夜、調査・研究に励む。