《講演録》22歳の青二才が、売上高50億円企業を作るまで
■ 最初から好条件でできることはない。それでも成功させるからいい話が入ってくる
新今宮での開業は、治安や風紀の面で色々と言われることもありましたが、土地代が安くすんだ分、設備面に投資できましたので、おかげさまで開業以降大人気となっています。
みなさんもご存じのとおり、大手の星野リゾートさんも新今宮でのホテルを開業することが決定しており、現在は地域的な盛り上がりを見せています。いまさら、「須田君は先見の明があるね」なんて言う方もおられるのですが(笑)。
そして、新今宮での実績が福岡、キャナルシティ博多(大型ショッピングモール)前という好立地でのホテル開業へとつながりました。
起業を考えている人に言いたいのは、最初から好条件でできることはない、ということです。まず何か成功させないと、いい話は入ってこないものです。それも、誰もが失敗するだろうと思うような条件の下で、周囲の予想を覆してやり抜くのが重要です。
また、最近では地方創生事業にも参入しています。大分県別府市のインバウンド対策支援のため、弊社社員を3名送り込み、弊社のノウハウを活かした取り組みを別府市と一緒に行っています。
その他の新しい取り組みとして、日本製品への関心が高い外国人旅行客を対象に、FP HOTELSにて一般消費財メーカーの製品に対するアンケート調査も行っています。
■ 世界レベルの何かを成し遂げたいと思った成人式の夜
私は現在34歳です。マレーシアで生まれ、日本人の父とマレーシアの華僑である母との間に生まれ、幼少期をマレーシアとインドネシアで過ごしました。その後10歳で大阪に移り住みました。実家は経営者一族というわけでもなく、私自身はあまり真面目な学生でもありませんでした。
ところが、人生に一回しかない成人式の日が大きな転換となりました。自分にとって本当に意味があると思える人生について考え、「世界レベルの何かを成し遂げてみたい」と思ったのです。
じゃあ何が自分にできるのか。私は幼い頃からピアノやギターを始め、10代の頃には音楽でラジオに出演するくらいにはなっていました。そのまま行けば大阪ではちょっとしたミュージシャンにはなれるかもしれないけれど、世界レベルのミュージシャンにはなれないだろう。
他には、陸上競技も好きでしたが、やはり世界一レベルは難しいだろう。自分個人の力では“世界レベル”をめざすのは無理ではないか?そんなことを考えながら成人式の夜を過ごしました。
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