「メディアに取り上げてもらえるプレスリリースの作り方」vol.16
元毎日放送記者で、ラジオ報道部長なども務めた大谷邦郎氏がお届けする連載です。
プレスリリースは、お金をかけずにメディアに取り上げてもらえることから、中小企業にとってはかけがえのない“武器”です。それだけに、その特徴を知り、扱い方を学び、日々研鑽してもらいたいものです。
そこでこのコーナーでは、元・経済記者のボクがリリースをメディアに取り上げてもらえるそのポイントを、具体的事例を基に解説していきます。
さぁ、皆さんも一緒に学んでいきましょう!
ボクが、プレスリリースを作るのではありません。
皆さんに、良きプレスリリースを作ってもらえるよう指導し、助言させていただくのがボクの仕事です。
ですから、主役は「貴方」。取り上げてもらえるプレスリリースが出来るかどうかは、「貴方」次第です。
そのため、こんな残念な結果になることもあります。
新しいビジネスを立ち上げた起業家がいました。ここでそのビジネスの内容は詳らかに出来ませんが、イメージしていただくなら「社会人向けの塾」のようなもの。現代のニーズに合致するような内容で、お話しを伺うと面白い。その新しい塾を開塾したいので、プレスリリースを出し、認知度を上げたい、というご相談でした。
そこで、一緒にリリースを作っていきましょう、ということになったんですが、もう一度書きますが、実際にプレスリリースを作るのは「貴方」です。貴方が、そのビジネスの魅力を掘り起こし、それが伝わるようまとめていかねばなりません。
その際、まず考えていただきたいのが「このビジネスは、誰の、どんな“困った”を解決出来るか?」ということ。そして「その“困った”を解決出来るようになったのは、こうした〇〇〇を開発したから、考案したから、研究したからだ」という明確な理由を述べて欲しいのです。
しかし、今回は「私が教えた人は、皆さん、※※※が出来るようになりました。それは、私のキャリアが成せる技で、私の考案したプログラムが功を奏したと思います」とのこと。フムフム、それは良くわかりましたが、貴方が積んでこられたキャリアから、どんなノウハウが確立され、貴方の考案したプログラムのどこが他社とは違い、そのプログラムがどんな効果を現したか実証データはあるんですか?そこをリリースに記載してください、と何度もお願いをしたんですが、極論すると「私は、凄いんだ!」ということばかりを書いてこられる。う~ん、それでは響かないので、やはり改訂をお願いする。しかし、直らない。その繰り返し。結局、この方は、リリースを出すことを断念されました。いや、ボクの知らないところで出されたのかも知れませんが。
プレスリリースに限らず情報発信の際の最も重要な点はこれです。
「自分が言いたいこと」を書きたくなりますが、書かねばならないのは「相手が知りたいこと」です。常に相手が何を望んでいるのか、アンテナを立てておいて下さい。それが、成功への第一歩なのですから。(文/大谷邦郎)
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