《講演録》起業5年で会員数40,000人!日本の「家事」を変えるビジネスモデルで挑戦
>>> イノベーションは小さな失敗から生まれた!
私は学生の頃から起業に興味を持っていましたが、リスクを考え踏み出せませんでした。それでもいつか起業できたらいいなという感覚はあり、これからの経営者にはITリテラシーが必ず求められるだろう、という考えからIT企業である富士通に入社しました。
MBA在籍中にも起業にチャレンジしましたが、上手くいきませんでした。失敗の理由はたくさんありますが、MBAの同級生10人で起業したために、意見がまとまらず自分のやりたいテーマから離れてしまったことが大きいと感じています。
また、MBAを修了し、富士通に戻った後も社内起業を試みましたが、事業を立ち上げるまでには至りませんでした。その失敗を経てタスカジを立ち上げることになるのですが、今回の成功要因としては、私自身がテーマに大きな思い入れがあったからだと感じています。
女性に家事や育児のしわ寄せがきて、女性が活躍できないという社会の構造に対して腹を立てていました。私自身もその中に巻き込まれて、もっとチャレンジしたいと思っているのにどんどん気力が削がれて仕事にチャレンジできない。そんな世の中に対する怒りを問題解決のためのサービス立ち上げの原動力にしました。
タスカジの立ち上げにあたっては、ターゲットのユーザー層に近い友人や起業家、ビジネスコンテストの審査員経験者の方など10名に企画書をみてもらい、それぞれダメ出しをいただきました。指摘されたダメ出しは起業後のリスクと考え、リスクを減らしていくよう企画を練りなおしました。また、システムは一度作ると改修することはとても難しいため、システムを作る前にテストマーケティングをすることでリスクを低減させました。
新しいサービスを生み出そうとするとき、自分の強みやスキルが足りないと感じることが多々あります。確かに、経営者には幅広いスキルが求められますが、すべて網羅することは誰にとっても不可能です。事前に自分のアドバンテージが何であるかを認識し、それを強みとして生かせるような事業を作っていけばいいのではないかと思います。
私の場合で言うと、1つ目はIT企業に長年勤務していたため、ITリテラシーがあるシステムエンジニアであるという点です。そして、2つ目にMBAに在籍した経験や事業管理をした経験があるので、事業を推進していくことができるという点です。しかしITリテラシーがあり、事業を推進できるような人は世の中に大勢います。そこで、3つ目としてワーキングマザーで家事について困っている当事者であるという点を追加しました。3つ目を追加することで市場についてはオタクなまでに詳しく、IT知識のある新規事業に得意な人になりました。
一つのことでは日本で唯一の人にはそうそうなることはできませんが、3つなら日本で唯一の人になれる可能性があります。そして、3つ目の課題に対する当事者意識こそが競争優位につながっていきます。皆さんも日々の生活でアンテナを立てて、どの問題で自分が当事者なのかをぜひ深く考えていただけたらと思います。
もう一つ、オススメしたいのは、小さくたくさん失敗するということです。新規事業の立ち上げでは失敗することが怖いです。でも、仮に失敗したとしてもその失敗は次の成功に繋がりますので、ぜひ失敗しても損はしないという気持ちでチャレンジしてください。ただし、大きく失敗してしまうと立ち直るのに時間がかかるため、小さくたくさん失敗してください。私自身、立ち上げた事業に失敗した時は落ち込みましたが、あの失敗がなければ現在の成功には至っていなかったと思います。ぜひ小さくたくさん失敗してください。それが必ず次の成功に繋がると思います。
(文/林夏子)
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