産経関西/産創館広場

「高品質で低価格」攻めの経営

2012.08.06

飲食店や大型ショッピングモールのフードコート、さらにブライダル関連の商業施設の業務用家具などを生産販売する株式会社三吉(みつよし)=大阪市平野区。20年前から中国を中心とした独自生産ラインを構築し、別注家具の海外生産に取り組んできた。その強みは、高品質かつローコストの業務用家具を供給できること。設計者が社内におり、一点ものから量産品まで、納期、価格、デザイン等、お客様の希望に的確な対応ができる。配送、アフターフォローまで一貫して行えるのも強みだ。

 創業63年目になる同社は、椅子の脚部分などを作る鉄工所としてスタートした。業務用家具のOEM(相手先ブランド)生産に加えて、大手事務用品メーカーの代理店として全国に問屋・卸業を拡充。内装業者や、設計事務所への販売を強化し、トータルの提案力で業績を伸ばしてきた。「製品の予算や、開店時期でお客様の要望はさまざま。だからこそ、柔軟な対応力とフットワークの軽さでは絶対負けません」と社長の前田佳孝氏は胸を張る。

 全国でアミューズメント施設を展開するラウンドワンでは、各店舗に任せていたボーリング場やカラオケのソファーやテーブルまでのメンテナンスを同社に一括して依頼。大幅なコストダウンが実現できたという。少し前までは、商業店舗の新規出店においては内装業者が全て請け負っていたが、ニーズの多様化とともに、店舗側が直接家具を買うスタイルが増加しており、よりニーズが把握しやすくなっている。だからこそ、今後は自社商品の充実を図りたいと考えている。

 昨年には、関連会社で業務用や店舗用家具の専門WEBサイト「お店の家具.com」も本格始動。今年度の経営革新計画を取得したことで、経営目標の明確化、社員との経営理念の共有化もできた。「まだまだ攻めきれていない市場はある」。既存の取引先を大事にしながら、高品質・ローコスト・オリジナルを武器に、今後は介護施設や病院、ビジネスホテル、スクール関連などの販路開拓もめざす。

(大阪産業創造館プランナー 内田貴美代)

㈱三吉

▲ブライダルでは、カスタムオーダーからセミオーダーまで、イメージや予算に応じて幅広く対応する

株式会社 三吉(みつよし)

http://www.e-mitsuyoshi.co.jp/