ディープな大阪を探る、DeepExperience株式会社が紡ぐユニークな旅。
「DeepExperience OSAKA」は、大阪で参加できる体験プログラムやガイドツアーを訪日外国人に紹介する体験予約情報サイト。代表兼観光プロデューサーの阪上氏は、ITソリューション会社を2011年に起業し、その8年後にインバウンド事業を分社化してDeepExperience株式会社を立ち上げた。掲げるミッションは、「つながりを提供し、人々の最高の笑顔を生みだす」だ。ITソリューション事業が軌道にのり、つぎは自分の海外経験が活かせて、今後日本の基幹産業となるであろう旅行・観光業に携わりたいと考えたという。「記憶に残る特別な空間を創出し、忘れられない体験を提供して、大阪を訪れる人々に喜んでもらえたら、こんなに幸せなことはない」。
スタート直後にコロナ禍に見舞われるという試練もあったが、その間に優秀な人材を獲得して体制を整えることができた。現在、5言語に対応するサイトの利用者数は伸び続け、よりディープな大阪を体験したいと望む訪日観光客の要望に応えている。インターネット上で販売するのは約120商品(200プラン)。大阪の食、伝統文化から、自然、ものづくり、エンタメまでラインナップし、価格帯も500円~10万円程度と幅広い。
例えば、オリジナルツアーには各地の穴場スポットを案内する「食べ飲み歩きツアー」「歴史巡りツアー」、パートナー企業と連携するアクティビティには、「道頓堀川SUP体験」「大阪メイドカフェ体験」などがある。さらに「大阪周遊パス」の販売や「大阪産(もん)食い倒れコース」など大阪観光局や大阪市との提携商品もあり、国内観光客の利用も着実に増えている。「魅力的なオリジナル商品を開発するために、実際に足を運んで自ら体験することを大切にしています。パートナー企業の想いを聞いて関係を構築したり、モニター調査を行うなど、自信をもって紹介できるまで商品づくりには時間をかけますね」。
親会社のデジタルマーケティング力を活かして訪日観光客の潜在的ニーズが分析でき、Webデザイン制作や翻訳を内製化できる環境も同社の大きな強みだ。「最近は本物志向で、貴重な旅の体験に価値を見出す訪日観光客が増えています。そこで、高付加価値な商品を販売するハイエンド版の運営に取り組み、観光プロダクトを全国エリアで広げ、地域ならではの価値を創造し地域創生に取り組んでいくことも見据えています」と話す阪上氏。
近い将来の目標を聞くと、「2025年の大阪・関西万博開催時には、大阪のインバウンド会社といえばDeepExperience、大阪へ行くなら『DeepExperience OSAKA』で予約しようと認知してもらえる存在になりたい。追い風を受けながらアクセルを踏むだけです」と笑顔で、そして力強く語ってくれた。
【 インバウンド大胆予想 】
2030年には、観光インバウンド消費が日本のNo.1輸出額になるとも予想されています。よりディープに日本を体験したい、人々と触れ合いたいと望む訪日外国人が増えるなか、パートナー企業・市民・自治体・行政機関が連携してチーム大阪をつくり、上質なコンテンツ開発と強い情報発信を行えば、大阪のインバウンド消費拡大は間違いありません!
(取材・文/花谷知子)