営業力とデジタルイノベーションで勝つ!
【起業家図鑑】
大阪産業創造館 創業支援チームのプランナーが月替わりで起業家を紹介する連載コラム。起業を志したキッカケや、困難に直面したとき乗り越えた方法、また事業を軌道に乗せるために必要なことなど。一歩先をいく先輩起業家の体験談をプランナー目線で紹介します。
【起業家図鑑】vol.30 営業力とデジタルイノベーションで勝つ!
食事に出かける前に、グルメサイトやSNS、検索サイトを利用される方は多いのではないだろうか。
一方、飲食店の経営者は、集客のためグルメサイト等に情報を発信し、口コミなどの評価をチェックする。経営者にとって、お店を運営しながらこれらの作業をすることは、かなりの労力を要する。
株式会社esprot(エスプロ)は、飲食店向けに、複数のグルメサイトで発信力を高め、効果的に集客するWebマーケティングサービスを提供している。
同社の代表である吉岡さんは、銀行、メーカーに勤務したのち、大手グルメサイトに転職。1年3か月勤務した中で、社内で「スーパーMVP」を受賞するなど優れた営業成績を残した。
そのような中、顧客の声を受けWeb販促を含めた「トータルなサポート」にビジネスチャンスを感じ起業を決意。2016年春、大阪産業創造館の起業プログラム「立志庵」を利用して、飲食店向けの販売促進事業を立ち上げる。
当初はいくつかのグルメサイトと契約し、飲食店を訪問して集客力を高めるサイトを制作した。
早期に事業を立ち上げることができたのは吉岡さんの強みである営業力だ。起業当初、ターゲットとするお店に、効果的に一日に何軒も訪問できるよう、「営業戦略」を立て営業活動を続けた。
ある時、関西の元気な若手経営者と出会う機会があった。その会社はITを活用した駐車場シェアリングビジネスを展開し世間から注目を集めていた。
元々は、営業会社として事業を起こしていた会社であり、継続的な収益を上げながら、顧客の困りごとにフォーカスしITビジネスに移行しているなど、吉岡さんは衝撃を受けながらも、ヒントを得た。
吉岡さんは、自分の強みである営業力とともに、ITを活用した飲食店販促コンサルティングが、自らのビジネスのカタチになるのではと考えるようになった。
2020年10月現在、社員数12名、東京にも拠点を展開する規模に事業は拡大した。事業開始より毎年数十パーセントの成長を継続、会社の中は若い社員が活発に仕事に取り組んで明るい雰囲気だ。
今年は新型コロナウイルス感染症の影響で飲食店が売上が大きく減少するなか、新たに人材ソリューションの事業を立ち上げ、売上を継続して伸ばしている。さらに現在、AI(人工知能)技術を使い一定の予算のなかで飲食店が自動的に集客活動できる、新たなWebマーケティングシステムの開発に取り組んでいる。
また、関西の先輩起業家と交流し、株式上場も視野に入れ、さらなる成長をめざしている。
(取材・文/大阪産業創造館 創業支援チーム
起業プログラム&デスク「立志庵」マネージャー 明田豊広)
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起業プログラム&デスク「立志庵」
https://www.sansokan.jp/akinai/risshian/