日本文化の体験を海外の子どもたちに
チャチャモは、訪日外国人旅行者の子どもを預かって、茶の湯や和菓子作り、折り紙などさまざな日本文化を体験できるプログラムを提供している。
「お子様にとっては体験を通じて日本文化を理解し、ご両親にとってはお子様を預けている間ゆっくりと観光や買い物を楽しむ時間をつくることができます」と松島氏は体験型託児業のメリットを語る。
8歳から17歳まで4人の子どもを持つ松島氏は、海外旅行で常に子どもを連れ歩くことの大変さを感じていたが、海外のリゾート地などではキッズクラブとよばれる同様の体験型託児サービスがあることを知り、利用してきた。
「訪日外国人が増える中でそうしたサービスが日本にもあれば喜ばれるのではないか」と考え、2019年春にサービスを始めた。
預かる子どもは0歳~12歳までで、英語、中国語対応のスタッフが常駐。半日(9時~13時、13時~17時)、1日(9時~17時)のコースがあり、巻き寿司づくり、住吉大社などの散策、イチゴ摘み、花見など季節性のあるイベントも取り入れている。
体験の冒頭には文化の背景、歴史なども伝え日本文化の理解を深めてもらうことも大切にしている。「お子様が自立し、成長する機会にしたいとの思いもあり、親同伴は断っているんです」と、伝統文化伝承師の資格も持つスタッフの相原氏。
また、自身の子どもを含め、参加する日本人の子どもたち4、5人に手伝ってもらうのも特長だ。「文化の背景などについても私たち大人が話すより、同じ年代の子どもから聞くことでより理解が深まる」という。
また、なかなか親と離れたがらない子どもも、他の子どもたちが話しかけることで緊張が解け、遊びの輪にすぐに入ることができるのだという。
現在は利用者の大半が中国人旅行者で、サービスの周知をより広めるために中国人向けの旅行予約サイトにツアーとして組み込んでもらい、中国人が最も海外旅行に出かける春節の時期を狙ってPRしようと考えている。
また、今後は大阪での国際会議開催の際に配られるガイドブックなどでもサービスを紹介し、利用を呼び掛けていくという。
「訪日外国人旅行者の方たちがもっと日本で楽しい時間を過ごし、旅を上質なものにしていければ」とサービスのさらなる充実をめざしている。
(取材・文/山口裕史)