【プレスリリースの作り方17】「マイナス10℃の試着室」?!企てを実行した社長の行動力がスゴイ!
「メディアに取り上げてもらえるプレスリリースの作り方」vol.17
元毎日放送記者で、ラジオ報道部長なども務めた大谷邦郎氏がお届けする連載です。
プレスリリースは、お金をかけずにメディアに取り上げてもらえることから、中小企業にとってはかけがえのない“武器”です。それだけに、その特徴を知り、扱い方を学び、日々研鑽してもらいたいものです。
そこでこのコーナーでは、元・経済記者のボクがリリースをメディアに取り上げてもらえるそのポイントを、具体的事例を基に解説していきます。
さぁ、皆さんも一緒に学んでいきましょう!
プレスリリースで重要なのは、その「書き方」じゃありません!
メディアが取り上げるかどうかは、あくまで「ネタ」次第。そのネタに関してボクが、口を酸っぱくして言っているのが「仕掛けろ!」「企てろ!」ということです。それを見事に具現化されたリリースがこちらです!
いやぁ、凄いです!
以前から「冷凍室を試着室にしたい」という社長の企みは伺っていました。
出来れば、暑い最中にやりたい。でも、それをどうやって実現出来るのか?
例えば、場所の確保は?電源の確保は?人手はどうする?そもそも価格は?
まさに、問題山積でした。しかし、天は社長を見捨てなかった。リリースに記載されている通り、9月1日、すなわちまだまだ残暑が厳しい中で、大阪・南港の舞州でお祭りがあることを知り、そこにターゲットを絞って作戦を立てられました。
さらに、天啓か!?「冷凍トラックで」と言うアイデアが浮かんだのです。これだと移動もたやすいし、他の問題も何とかクリア出来そうだと、早速、冷凍トラックを押さえちゃうところも凄い!もちろん赤字は覚悟の上。 しかし、その甲斐あって、開催前に日経MJにて紹介されました。当日は大勢の来場者があったということですから、この記事も、その一助になったに違いありません。
ところで、このリリースには、もう一点、皆さんに学んでいただきたいポイントがあります。改めて、冒頭のキャッチフレーズをご覧下さい。
「汗をかかない試着から、彼らのオシャレを変えていく
デブ待望のマイナス10度の試着室が登場!?」
この「デブ」と言う言葉です。取り扱い注意の用語です。でも、この会社は、その「デブ」を何とかしたい、という志がある、愛がある。だからこそギリギリ許されるのではと思い使用しました。それでも※を入れて「当社ではデブという言葉をポジティブワードとして使用しています。予めご了承ください」と但し書きを加えました。さらに草案時のリリースの冒頭のキャッチフレーズは「日本初!? デブ待望の-10℃冷凍トラックが試着室に!!~汗をかかない試着からデブのオシャレを変えていく~」と、この短いフレーズの中に二度も「デブ」という言葉が出ているのを一度に減らし、本文中で「デブ」と言い切っておられるところを「デブの皆さん」と言い換えました。こうした言葉は、やはり気をつかって下さい!そう、その気遣いで、身も細るほどにね!(文/大谷邦郎)
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QZILLA by Mr.Bliss(クジラ バイ ミスターブリス)
https://qzilla.jp
1961年、大阪・堺生まれ。 1984年にMBS(株式会社毎日放送)に入社。
大半をテレビ・ラジオの経済記者として過ごし、経済番組の制作にも携わる。その後、ラジオ報道部長、宣伝部長を歴任し、「取材する側」と「取材される側」の両方を経験。そのキャリアを活かし、2016年11月に独立し 「情報発信」や「危機管理広報」などに関するセミナーやコンサルを企業や大学・自治体などで行っている。現在「グッドニュース情報発信塾・塾長」。
著書:『関西唯の人 〜仕事を楽しむ人の図鑑』(星湖舎)等
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